陶芸で有名な笠間市のやきもの通り沿いにある手打ち蕎麦の店「手打百藝 泰然(てうちひゃくげい たいぜん)」。築50年ほどの建物を改装し、テーブルと座敷を合わせて35席を配しています。店内に地元笠間や益子の陶芸家の作品を月替わりで展示したり、古布を使った人形などを置いたりと、どこかほっとできる雰囲気が漂います。
店主の加藤泰幸さんは、長野県の蕎麦の名店「手打ち百藝 おお西」で修業。「ここでの修業は千日修業と呼んでいて、朝5時から夜8時まで一日も休まず、最低千日、約3年間つとめなければなりません。生半可な気持ちではできないものですが、ここの蕎麦とつゆが大変おいしく、修業するならこの店でと決めていました」と加藤さん。
2011年4月の開店以来、「おお西」で学んだ「発芽そば」が評判を呼び、遠方から訪れる客も増えています。そばの丸抜を発芽させ、石うすで粗めに手挽きします。発芽期に発生する糖化酵素によって甘みが増し、独特の味と食感に仕上がります。そばは茨城と長野のものを時期により使い分け、十割の細切りにこだわります(更科除く)。「発芽そば」のほか、田舎、更科(さらしな)をそろえています。更科は、そばの実の中心からとった粉で打つため、透明感のある白さが特長。上質の鰹節や水にこだわって仕上げるつゆは、蕎麦の種類によって配合などに工夫を凝らし、それぞれの蕎麦の味を引き立てています。
品書きには、発芽そば、更科、田舎の3種類のそばが楽しめる「三種そば」(1365円)、「発芽そば」(1050円)、「田舎そば」「更科そば」(各840円)、そば粉を使った白玉の甘味などが並びます。
「基本的に妻と二人で切り盛りしているため、時間に余裕を持ってご来店いただければと願います。毎日手挽きし、一つひとつの作業に手間をかけ、心を込めて作る蕎麦を多くの方に味わってもらいたい」。(K.K)
住所/茨城県笠間市下市毛229−1
TEL/0296−73−5008
営業時間/11:00〜15:00(L.O14:30)
(土日は18:00まで。11月~3月は夜休み、3人以上の予約で営業可)
定休日/火曜(祝日は営業、翌日休み)
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