ゆたり倶楽部

[カフェ・レストラン] 記事数：210

◎カフェ・レストラン

花&カフェパストラル
[栃木県宇都宮市]

昔も今も、これからも―。
愛され続ける本物の味と、あたたかい時間流れる喫茶店

　「ふらっと気ままに立ち寄って、美味しい一杯を楽しむ。それが本来『喫茶店』というものであって、その基本になるのが、人と人とのつながりだと思うんだよね」そう言って、カウンターのお客さんに目配せをし、にっこり笑ったオーナーの長岡さん。ちらほらと雪が降りはじめた冬のある日の午後、宇都宮市ユニオン通りにある「花&カフェパストラル」では、長岡さんやお客さん同士の笑い声に包まれ、あたたかな時間が流れていました。

　太い梁や古材を使った落ち着いた空間に、華やかな季節の花々。真空管アンプの透明感のある音色がやさしく響き渡り、焼きたてのケーキと珈琲の豊かな香りが店内を包み込みます。
　「高いほうにする?安いほうにする?」初めて来店し、オーダーを迷っているお客さんに、そう冗談を交えながら気さくに声をかける長岡さん。そんな長岡さんの珈琲は本格ではなく、まさに本物の味と呼ぶに相応しい美味しさに溢れた感動の一杯。選び抜かれた豆を手間暇かけて自家焙煎、ネルドリップで丁寧に淹れてくれます。酸味や苦味、濃度など事細かに説明もしてくれるので、ビギナーの方でも自分好みの味に出逢えるはず。貴重な高級紅茶も多数取り揃えてあり、ヨーロッパの優雅で格調高いカップでいただけるのも、また格別な味わいです。

　「一度は店を閉めたこともあるんですが、私の珈琲をまた飲みたいって声をありがたいことに多くの方から頂いて…。以前から好きだった花も届けたいと思って、花屋と喫茶店というスタイルで再出発したんです」一度口にしたら忘れられない本物の味と、長岡さんのお人柄が醸しだすなんとも心地いい雰囲気。そして、つながりから生まれるお客さんの笑顔がある限り、このお店は多くの人の心の拠り所として、これからもずっと愛され続けていくことでしょう。(m.m.)