民家が並ぶ一角に、ひっそりと建つ隠れ家のような店。築140年という古民家を移築した建物は、薪ストーブのある土間と座敷を配し、懐かしい趣があります。座敷からは、200種類以上の山野草が植栽された庭を眺めることができ、低く流れるジャズの調べを聴きながら、ゆったりと過ごすことができます。昼は満席になることもしばしば。夜は、庭がライトアップされ、昼間とはひと味違った大人の雰囲気が楽しめます。
「大好きな山野草に囲まれた古民家で、そばの店を」と、店主の鈴木照男さんが念願の店を開いたのは2005年。口コミで評判が徐々に広がり、そば通たちの間でも人気が高い一軒として知られています。店は、鈴木さんと奥様のふたりで切り盛り。物腰が柔らかく、こよなく自然を愛する鈴木さん夫妻の人柄にも、心が解きほぐされていく居心地のよさがあります。
そばは、十割のみ。北海道産中心の玄ソバを仕入れ、低温貯蔵。その日に使う分だけを毎日、石臼挽きで自家製粉します。香りと甘みを生かしたそばは透明感があり、細打ちで十割とは思えないのど越しのよさがあります。血合いを抜いた厚削りのかつお節でとったつゆが、そば本来の端正な味をいっそう引き立てています。野趣味と上品な味わいが見事に共存しているのです。
品書きは、「もりそば」(800円)、「天ざる」(1400円)、「けんちん」(1200円)、「かも南ばん」(1400円)、「そ
ばがき」(800円)、「そばぜんざい」(600円)、「冷酒」(650円)など。(K.K.)
茨城県那珂市後台1229
TEL/029−353−0505
営業時間/11:30−14:00、17:00−20:00(夜は要予約)
定休日/月曜日、第3火曜日
乳幼児の入店不可
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(登録第5290824号)