ゆたり倶楽部

[食品] 記事数：30

◎食品

チーズ工房　Three　Brown
[群馬県前橋市]

ブラウンスイス牛を飼育しながらチーズを作る―
夫婦の夢が詰まった山の中の小さな工房

　大自然に囲まれた赤城山の南麓。1haの広い敷地にレンガづくりの自宅兼販売所と牛舎が建っています。2013年6月にオープンした「チーズ工房Three　Brown」。農業高校時代の先輩・後輩だった松島俊樹さん、薫さん夫妻が牛の飼育からチーズづくり、販売までを手掛けています。

　牛を飼ってチーズを作るのは、俊樹さんの高校生のころから18年越しの夢だったそう。商品はフレッシュチーズが中心で、程よい弾力が特長の「モッツアレラ」、それを1週間から10日乾燥させた「スカルモルツァ」、焼いて食べると美味しい「カチョカバロ」、クリームのような食感の「ドリー」など8種に加え、ミルクと無精製のグラニュー糖を原料にした「ミルクジャム」をラインナップ。無添加で塩分控えめの手づくりチーズは、大手メーカーのチーズとはひと味違う優しい味わいです。

　チーズを作るだけなら、原料のミルクを購入した方が圧倒的に手軽です。でも、なぜ松島さん夫妻は牛の飼育から始めたのでしょうか。それは、納得できるミルクを得るため。「今より美味しいミルクができれば今より美味しいチーズになる。そこには無限の可能性があるのです」と薫さん。　飼育する牛は、濃厚な乳質がチーズづくりに最適な「ブラウンスイス牛」のみ。餌にも徹底的にこだわっています。穀物は控えめにし、力のある土壌で自ら育てている栄養価の高い牧草をたっぷり与えるのです。それが牛のお腹の中の微生物を増やし、味の良いミルクを出す秘訣だとか。当初は3頭だった牛が今では7頭に。「将来的には白カビチーズやアイスクリームも作りたい」。松島さん夫妻の夢はどんどん広がっています。（N.A）