ゆたり倶楽部

[カフェ・レストラン] 記事数：210

◎カフェ・レストラン

cafe COMO
[茨城県つくば市]

建築家夫妻が始めた家カフェは
清冽な空気に満ちたリセット空間

この記事は、2009年6月に作成したものです。現在はカフェは休業されています。
　通り抜ける風は透明感に満ち、漂う空気は優しく暖かい…、COMOを訪れた人はきっと誰もがそんな印象を持つのではないでしょうか？建築家夫婦が始めたまっ白の家カフェ。洗練されたデザインであることは間違いないのですが、それだけではない、このご夫婦だからこその穏やかで心地よい空間がそこにありました。

　店名はイタリアの避暑地「コモ湖」から。湖を渡る風にリフレッシュされるように、日々の生活をリセットできる空間に…、そんな吉川夫妻の思いが込められています。「二人ともずっと東京で設計の仕事をしてきましたが、カフェ巡りが趣味の僕とお菓子や料理が好きな妻にとって、事務所にカフェを併設することは共通の夢でした。このカフェを通して建築やインテリアに関する提案ができれば、という思いもあります。僕らにとってここはいろんな意味で『基地』のような存在。カフェをしていなければ得られなかった出会いもたくさんありました」とご主人の直行さん。実際にカフェを訪れたことが縁で現在進行中の建築計画も数件あり、カフェのほうはほとんど奥さんの真奈美さん一人で切り盛りしています。

　メニューはランチが「スープ＆マフィンランチ」と「玄米ご飯のランチ」（ともに950円、デザートは50円引きでランチにセット可）の２セット、その他、自家製スイーツ（400円）など。「料理やお菓子作りはほとんど独学。地産地消や旬の素材を使うことなどを心がけていますが、何よりまず、自分が家族に食べさせてあげたいと思うような料理を一生懸命作っています」と真奈美さん。「野菜が大好き！」という真奈美さんが作る料理やスイーツは、素材の自然な甘さや食感に手作りの温かさが加わって、体の中にじんわりと栄養が沁みわたるようです。店の奥の和室は子連れママ達の特等席、ゆっくり読書したい時は窓辺のソファ席、デートには風を感じるテラス席…。どんなゲストでも自然体で受け入れてくれる、そんな間口の広さも、この小さな家カフェの魅力のひとつと言えるでしょう。（M.M）