※この記事は、2009年5月に作成したものです。2015年末をもちましてカフェ&ギャラリーは無期限休業となりました。現在は宿泊施設のみ営業しております。詳しくはホームページをご覧ください。
益子にはゆっくりのんびりとした益子時間が流れている―「益子時間」とは地元の人の話の中で日常的に使われている言葉。そんな時間を提供したい、そして時間が経てば経つほど味が出る、そんな空間にしたいという思いを込めてつけたのがこの「益古時計」。
一歩入ると木の温もりを感じるここは、カフェもあり、ギャラリーもあり、宿泊もできるという益子でも他にはない場所。もともと富良野でペンションを開きたいというオーナーの神田さんがたまたま辿り着いた益子が気に入ってしまい、そしてただペンションという形でなく、お茶やお食事もできて、益子の陶芸などの作品も楽しめるといういい意味で欲張りな空間を作ったのでした。
カフェのドリンクはエスプレッソや紅茶などのメニューも豊富ですが、特におすすめは3種のオリジナルブレンドコーヒー。ネルドリップで丁寧に淹れたコーヒーをお好みのカップでいただくことができます。また「益子の旬を生かした季節感を感じるメニューを提供したい」と苺や梅や林檎などその季節ごとの果実をジャムやソースにしてソーダなどの冷たいドリンクや、スイーツに使用しています。
2週間ごとに替わる数限定ランチプレートも人気で土日は12時過ぎると売切れてしまうことも。
ギャラリーでは益子の若手の作家さんを中心とした陶器やガラス、布小物などの作品がところせましと並べられています。その作品は個性いろいろですが、どれも普段使いできる親しみやすい印象で、実際カフェで使われている作品も多くあります。ガラス作家の伊藤亜木さんのグラスなどは益子時計で使用したジュースの空き瓶などをリサイクルしてできたもの。形や大きさは様々ですが、手に馴染み気泡がソーダの泡のようで可愛らしくやさしい仕上がりです。
宿泊はB&B形式。静かな空間でのんびりとでき、美味しい手作りの朝食をカフェでいただけます。
そしてこの益古時計の敷地内にある小さなパン屋さん「えみぱん」。こちらでは、早朝からせっせとひとりの女の子がパンを焼いています。白神こだま酵母と国産小麦粉を使用していて、そのどれもがやさしく、素朴な味わい。こちらで焼いたパンはカフェのパンメニューや宿泊の方の朝食でも出されています。
あまりこだわりを表に出してはいませんが、それは随所にさりげなく感じられ、そうすることで居心地の良い空間を作り出しています。「強いこだわりはないけれど空間も食べ物もきちんと手を掛けたもの、手作りのものを提供していきたい。そしてゆっくりのんびりとした益子時間を味わっていただければ・・・」そう控えめに語る神田さん。まだ4年目ですが、お客さんに愛され、時を経てますます温かく味わいのある場所になっていくのだろうと、ここはそう感じられる空気を持っていました。(E.S.)
栃木県芳賀郡益子町益子字里山4283-5
TEL/0285-72-7201
営業時間/8:00~18:00(L.O.17:30)
定休日/水曜日、第1、第3火曜日(えみぱんは月金土日営業)
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)