人里離れた小さな温泉宿。国道から県道に入り温泉宿の看板のある角を曲がり、林に囲まれた細い道を車で数分走ると、ひっそり佇む隠れ家のような建物がみえてきます。
ここは、創業150年以上という「湯の澤鉱泉」。今は5代目五十嵐強さんが奥様とともに温かいおもてなしと丹精込めた料理を看板に、伝統の秘湯の宿を受け継いでいます。
リニューアルした客室は、黒の格子と和紙を組み合わせ、モダンな空間を演出。本館のほか、トイレ付きの別館を備えています。風呂は、ヒノキの香りに包まれた檜風呂、露天風呂気分が満喫できる岩風呂。どちらも「のんびり、ぼーっと」できる素朴な雰囲気が漂い、日ごろの疲れをゆっくりと解きほぐしてくれます。泉質は重炭酸ソーダ泉(重曹泉)で、効能は神経痛、皮膚病、リウマチ性疾患などといわれています。
湯あがりに供される料理は、秋はキノコ、春は山菜など地場産の食材をふんだんに使った地元ならではの味わいが楽しめます。毎日朝早くから市場に出向き、五十嵐さんの厳しい目で選んだ鮮魚の料理も評判です。鮮度の良さが格別な刺し身をはじめ、焼き魚、煮魚など自慢の逸品が並びます。そのほか、自家栽培の米、自家製味噌、五十嵐さんの母が手打ちする田舎そばなど、体にやさしい素材が織り込まれています。そうした料理が並ぶ「湯の澤御膳」は、目にも舌にもうれしい内容で、まさに五感を目覚めさせるようなおすすめメニューです。
ここを訪れる人はみな、「よくいらっしゃいました。どうぞお上がりください」と奥様の明るい笑顔で迎えられます。「お客様ひとりひとりを家族が帰ってきたような気持でお迎えします。従業員も同じ気持ちで接客するよう気を配っています。お客様に心からくつろいでいただけるよう、これからも心を込めたおもてなしに励みたい」と五十嵐さん夫妻は話しています。緑豊かな自然、心身の疲れを解きほぐす温泉、地の食材を使った料理に触れ、日常の喧騒を忘れさせてくれる心地いい時間を過ごしたい。(K.K)
茨城県常陸大宮市山方4849
TEL/0295—57—3794
営業時間/宿泊15:00〜翌日10:10、日帰り入浴10:00〜16:00、
個室使用10:00〜15:00
定休日/月曜日
※1人の予約は火・水・木曜のみ
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(登録第5290824号)