ゆたり倶楽部

[自然派レストラン] 記事数：48

◎自然派レストラン

芳季庵
[茨城県那珂市]

朝採り野菜が主役。
工夫を凝らした料理は体に優しい

この記事は、2012年6月に作成したものです。現在は閉店されています。
　一軒家の料理店。目印は道路沿いにある小さな看板のみ。自慢は、季節の野菜をたっぷり取り入れた独創性に富んだ料理です。「野菜本来の味、香り、食感を大切に」と、季節の素材を斬新なアイディアと高度な技で供する料理は、驚きと新しい発見に満ちています。

　メニューは、1500円と2000円のコース料理。飲み物はコーヒー、紅茶、抹茶から選べます。「内容は、その日に入る食材で決まります。主な食材は自家栽培の野菜で、10種類以上を使います」とオーナーの金沢芳夫さん。そのほか、魚、大豆、栃木県茂木産の‘健康卵’、黒米、玄米など、吟味された食材を使い、健康志向派にとってはうれしいかぎりです。

　料理長は、京都の老舗京料理店で修業を重ねた実力派。工夫を凝らした調理法で素材の持ち味を引き出し、薄い味付けでも食べ応え十分の一皿に仕上げます。例えば、アボガドと豆腐、アサリを混ぜ合わせたものをソテーし、トマト、豆乳とグリーンカレーのソースを組み合わせた一品は自信作。「調味料の使用を抑えても、それぞれの野菜がうま味を出し、豊かな風味をつくりだします。素材の組み合わせ、調理法、料理の味を引き立てるソースづかいなど、料理は無限大に広がります」。お客様から料理の作り方を聞かれることもしばしばといいます。「そのような時は時間がある限り、お伝えしています。野菜の新しい食べ方を提案していけたら嬉しい」と。
　玄関で靴を脱ぎ、畳の部屋へ案内されます。10席を配する和室は、友人宅に招かれたような家庭的な雰囲気。そこには金沢さんが描いた絵手紙が飾られています。隠れ家的な店ですが、敷居を低くし気軽に足を運んでもらいたいと金沢さんは話しています。（K.K.）