大分県の山中にある小さな集落で、300有余年にわたって伝統を守り、代々受け継がれてきた「小鹿田焼(おんたやき)」。国の重要無形文化財にも指定され、その素朴で味わい豊かな魅力をもつ小鹿田焼を中心に、日本の素晴らしき伝統工芸を今に伝えるべく、2006年10月に「うつわ 栗梅」はオープンしました。
カフェやセレクトショップなどお洒落なお店が立ち並び、流行のスタイルに身を包んだ若者が行き交う宇都宮市・ユニオン通り。コンクリートの外壁に赤い柱、ガラス張りのスタイリッシュなこのお店の扉を開くと、工芸品を扱うお店で意表を突くような、ブルージーなBGMが流れていました。「音楽好きなスタッフのセレクトなんです」と、微笑む店主さん。店内には、焼き物の他にも、漆器や鉄器、土器アクセサリーなど歴史と趣のある様々な伝統工芸品が並んでいます。
そのなかでも特に若いお客さんに人気なのが、山梨県の和紙メーカーさんが有名な工業デザイナーさんと開発した、破れない障子紙「SIWA・紙和」の作品。帽子やバッグなど、シンプルなデザインでありながらも、水や重さに強く、何より和紙特有のやわらかな質感と風合いが、モダンな雰囲気を醸し出しています。
また「ものを大切にする心を大切にしたい」と、欠けてしまった器の金継ぎもしてくれるので、愛着ある器も捨てることなくずっと使い続けることができます。
一つ一つの工芸品に込められた想い、そして優れた日本の伝統技術を大切にしていきたい―。小さな器をそっと手にとると、そのやさしい温もりが心に沁みていきました。これからの未来に守っていきたいもの、伝えていきたいこと…今を生きる私たちの心に響くものが、この場所にはしっかりと息づいているのです。(m.m.)
栃木県宇都宮市西1-1-5 PLUS cafe内2F
TEL/028-633-9229
営業時間/11:00〜23:00
定休日/無休
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)