鬼怒川の流れを見下ろしながら、本格的な手打ちそばが味わえる至福の時間。そんな贅沢なひとときが過ごせる蕎麦処として、そば通たちの間で評判のお店です。
店内は全席が窓側に配され、どこに座っても自然豊かな景観が見えるように設計されています。何ともいえぬ静寂感が心をそっと癒してくれます。
店主の染谷美成さんは、千葉県柏の名店「竹やぶ」で8年半の修業を積み、1996年に開業しました。本家と同じように水のある風景にこだわって、現在地を選んだといわれます。
染谷さんが供する蕎麦は、つなぎを使わない十割が中心。「おいしさの決め手は、そば粉。いくら腕がよくてもソバが悪くてはどうしようもない」と、質の良いソバを選ぶ目は厳しい。茨城、長野、北海道、新潟、埼玉などの契約農家から玄ソバを入れ、その日に使う分だけ石臼で自家製粉しています。
「産地を使い分けることによって、時期ごとに一番おいしいそばが安定して味わえますし、それぞれの味の違いが楽しめるのも魅力だと思います」
一日20食限定の田舎そばは、蕎麦本来の香りとほどよいコシがあり、蕎麦の端正な味が引き立っています。細打ちにすることで、のど越しの良さも実現しています。つゆは、本節でとったダシとかえしを合わせてから5日ほど寝かせたもの。「合わせてから時間を置くことで、しょう油の角がとれ、まろやかになるのです」と染谷さん。ひとつひとつにこだわり、蕎麦本来の味を極める店主の心意気。旨い蕎麦はこうして生まれるのです。(K.K.)
茨城県守谷市板戸井1917-1
Tel/0297−46−0088
営業時間/11:30−16:30L.O.
定休日/月曜日、第2火曜日
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)