※この記事は2008年1月に作成したものです。現在『小さなからくり人形館プッペ』は休館しています。
日本では数少ないオートマタ作家の堀江出海さんが奥様とともに、自宅の1階を利用して開く喫茶店。オートマタは、18~20世紀前半フランスやスイスで時計職人が貴族のために作ったといわれる、オルゴールの音色に合わせて様々な動きや表情を見せるぜんまい仕掛けのからくり人形。
限りなく人間に近い繊細なしぐさを表現した、堀江さんの技術力に世界から熱い注目が集まっています。室内には、堀江さんの作品が展示され、予約をすれば堀江さんがオートマタの歴史や背景などを解説してくれます。
時計職人として長年働いていた堀江さんがオートマタと出合ったのは、スイス・サンクロアに出張した1990年。オートマタ作家のミシェル・ベルトランさんのアトリエを訪れ、そこに並べられていたオートマタの作品を見て大きな衝撃を受けたといわれます。呼吸、居眠りなど人形たちの生々しい動きに、「ショックに近い感動でしたね」と。オートマタの構造は時計とほぼ同じ。堀江さんはその仕掛けを見抜き、帰国後は仕事の合間を見てはオートマタの制作に取りかかりました。1999年には、ランベールの作品を復元した第1作「手紙を書くピエロ」が完成。2004年、スイスの世界最古の時計メーカー「ブランパン」からオートマタの制作依頼を受け、「時計師(オロロジェ)」を1年がかりで完成させ、高い評価を得ました。その後独立し、全国各地で展示会を開くほか、オートマタの受注制作など多忙な日々を過ごしておられます。
オルゴール以外はすべて手作り。堀江さんは人形の服を担当する奥様と一緒に、職人の心意気が息づく伝統の技術を静かに伝えています。フランスの文化薫る異空間へ足を運び、オートマタの世界をのぞいてみてはいかでしょうか。(海藤)
茨城県常陸大宮市山方2913-1
TEL/0295-57-6057
営業時間/14:00-17:00
定休日/水曜日
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