大きな窓越しには、目の高さに広がる太平洋。木の温もりあふれる館内は明るく、ゆったりとした時間が流れています。日立市・太田尻海岸にあるお宿「うのしまヴィラ」内の《海音(シーネ)》は、宿泊客の夕食・朝食だけでなく、一般のお客さまがランチやお茶、ディナーにも利用できるカフェ&ダイニング。地元食材に愛着をもって作る、手間隙かけた料理が人気です。
3.11から3年間の休業を経てリボーン・オープンした「うのしまヴィラ」。宿の目の前は、白砂に青い海という絶好のロケーション。「大震災という極限状態の中で感じた“つながり”を大切にしたい。そして、この美しい海岸を地元の人にこそ知ってほしい」。そこで、一般のお客さまにも気軽に立ち寄ってもらえる食と交流の場として《海音》がスタートしました。
オーナーの原田実能さんが接客を、女将の奥さまが主に調理を担当して、和食料理人を目指す息子さんが助っ人に入ることも。清々しく生き生きと、笑顔で迎えてくれるオーナー家族やスタッフたちの雰囲気が、ふわっと店内に満ちている。そんな居心地の良さを感じられる空間です。
「茨城は野菜の美味しい県。その美味しさを説得力を持って伝えたかった」と、原田さんは休業期間中に、ジュニア野菜ソムリエやスマートバーベキュー上級インストラクターの資格を取得。《海音》は県内では数少ない、「日本野菜ソムリエ協会」の認定レストランでもあります。メニューは、SEANEカレーや特製和風ハンバーグ、本日のパスタなど。人気の10食限定「sea・neランチ」は、一品ごと小鉢に盛ってワンプレートで提供しています。片付けの手間を考えたら一つずつ小鉢で出すのは大変なこと。でもそこは、独立した味がまざらないようにとの心遣いから。手間隙を惜しまず、見えない部分こそ丁寧をモットーにしているのです。
デザートも豆腐プリンやシフォンケーキのほか、夏はかき氷、秋には香りとなめらかさが自慢のほうじ茶プリンが登場するなど種類豊富。食材は、常陸太田産の米に、常陸太田市にある「木の里農園」の新鮮野菜、地元の水産物や畜産物と、地元素材を積極的に使っています。日本古来の発酵調味料「醤(ひしお)」を活かした、身体にやさしい料理の数々。素材の旬に合わせて徐々に内容が変わるので、その時々で違った味わいが楽しめるのも魅力です。
「料理には『前味』『中味』『後味』があります。『前味』で料理の情報をしっかり伝えることが食べた時の美味しさにとても影響しているんです。情報を伝えることもおもてなしの一つ」と、接客でのコミュニケーションを大切にしている原田さん。茨城のこと、食のことを絡めた得意のジョークに、お客さまから自然と笑顔がこぼれます。茨城の魅力の発信基地にもなっている《海音》。美味しいくつろぎの時間を楽しみながら、茨城がもっと好きになれる。そんな食とおもてなしに出会える場所です。(R.Shibata)
住所/茨城県日立市東滑川町5-10-1太田尻海岸
TEL/0294-42-4404
営業時間/ランチ 11:30~14:30(L.O.13:30)
カフェ 13:30〜16:00(L.O.15:30)
ディナー 18:30〜(要予約)※詳細はお問い合わせください
定休日/火・水曜
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(登録第5290824号)