自然と調和した永続的な暮らしをめざす「環欒舎(かんらんしゃ)」が営む自然派ベーカリー。パンは南部小麦とハルユタカなどの国産小麦を石うすで挽き、自家製天然酵母、自然塩、水など、いたってシンプルな材料で作られます。パンの種類によって使用する雑穀や野菜は、自然農や有機農で自給したものを使用。「昔の日本人の食性は雑穀菜食が基本でした。毎日食しても体に負担が少ない食べ物を」と、卵、乳製品、精製された塩や砂糖、動物性のものは使わないパン作りにこだわっています。
大谷石を使った手作りの石窯で焼き上げるパン。「その日の天気や使う材料など様々な要素によって、ひとつひとつ焼き色や形も微妙に違うのです。それぞれのパンは個性豊かな表情で、生きているんだなって実感します」と、製パンを担当する神永千恵さん。
パンは、季節や入る材料によって変わりますが約20種類を用意。良質の小麦に胚芽入りのプレーンな主食パン、オーガニックのクルミ入り全粒粉パン、国産黒ゴマがたっぷり入った小枝パン、子どもが握りやすい細長い形のにぎるパン、白くて軟らかい山崎パンなど。いずれも素材のストレートな味がそのまま伝わる出来映えは格別です。人気のひとつ「玄米おかゆパン」は、炊いた自家製玄米と南部小麦を使った自然発酵のパンで、もっちりとした食感は焼きあがりもその後も微妙に変化するおもしろさがあるといいます。パンのほかに、クッキーなどの焼き菓子もそろえています。
「急激に変化する現代社会の中に生じる数々の問題。祖先が営んできた原風景の中に解決のヒントがあるのではと思うのです。日本の伝統文化をあらためて見直し、永続的に暮らしていくための知恵を求めていきたい。そんな思いを込めて、食の原点に返ったパンを作り続けます」と。(K.K)
住所/茨城県水戸市開江町483
TEL/029−254−1133(予約が確実)
営業時間/9:00〜18:00(パン焼きは火曜、金曜。売り切れ次第終了)
定休日/土曜、日曜、祝日
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(登録第5290824号)