この記事は、20015年9月に作成したものです。woodwork&coffee「kikusa」は現在は休業中です。パン工房「Petrin(ペトラン)」は営業されています。
日本人にとって身近で馴染み深い「杉」。杉をメインにした器や家具に、草木染めを施すという独自の作風を追求する工房「Japonica(ヤポニカ)」。そんな唯一無二の木工作品に触れながら、美味しい珈琲と軽食がいただけるのが、石岡市の八郷にあるwoodwork&coffee「kikusa」です。
「kikusa」は2014年4月に、草木染めの木の器・家具を手がける「Japonica」と自家製天然酵母パン「ペトラン」が一緒に始めた共同ショップ。木工ギャラリーであり、カフェであり、パン工房でもある、多面的な魅力が詰まったお店です。カフェのテーブルや椅子には「Japonica」の作品を使い、内外装まで木部はすべて草木染めを施しています。柔らかで温かな空間に、ついつい長居してしまうお客様も多いとか。
作品を手がけるのは、木工職人の清水将勇(まさたけ)さんです。「杉に何か付加価値をつけられないか」と、たどり着いたのが草木染めだったと言います。その色合いは、自然から生まれる無限のバリエーション。ローズマリーに椿、玉ねぎ、栗、柏…、挙げたら切りがありません。フィンランドの「KUKSA(ククサ)」という木のカップをモチーフにした「KIKSA(木草)」は、防水加工のため樹脂を何度も塗り重ねるなど、丁寧な仕事が感じられる逸品。木目のグラデーションが美しく、微妙な違いが楽しめます。
「お客様から、“このカップで飲むお茶の時間は、そのときだけの世界ができる気がする”と言っていただいたことがあって。生活に潤いを与える。そんなものづくりをしていきたいと思っています」
カフェを担当するのは妻の文さんです。定番の人気メニューは、ペトランのバゲットを使ったフレンチトースト。八郷産の平飼い卵を使い、どちらも自家製というリンゴのコンポートとバニラアイスを添えて、清水さんの器で提供しています。食材は、できる限りオーガニックや地産にこだわり、珈琲もハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れています。木工作品に囲まれながら、美味しい珈琲を「KIKSA」カップでいただく…。日常からしばし抜け出したような、心地よい時間が流れます。
「これからはアンテナショップとしての機能を充実させて、この八郷という場所で作品づくりをしている意味、環境も含めて、来ていただいた方に体感して世界観を見てもらえる場所にしていきたい」と清水さん。
「kikusa」から生まれる“ちょっと特別”がこれからますます深く、温かく広がりそうです。(R.Shibata)
住所/茨城県石岡市下青柳547-3(茨城県フラワーパーク正門向かい)
TEL/090-9830-1022
営業時間/11:00〜18:00
定休日/火・木・金(加えて不定休あり)
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)