「子どもが町を歩いていて、ちょっと横を見たらガラスを吹いている人がいるっていうのも良いかなって」-工房“808 GLASS"は鹿沼市の住宅街にあります。店主・大山隆さんが土地選びについて発したこの言葉から、一瞬でその子どもの受ける影響を想像することができました。工芸品の産地でもなく、観光地でもない土地柄で、ただそこに当たり前のようにしてガラス工房があるとしたら...きっとその子にとって工芸は特別なものではなくなり、生活の中の一部として受け入れられていくでしょう。職人や工芸が身近に存在する機会を失った現代において、大山さんから描く工房のある場所は、まるで古き良き時代へタイムスリップするようでした。
大山さんは栃木県の壬生町で生まれ育ち、高校卒業後にデザインの勉強のために埼玉県へ。そこで様々な工芸品に出会い、色々と触れた素材の中でガラスでの表現に魅了され、ガラス工芸の専門教育機関“富山ガラス造形研究所"(富山県)へ入学。卒業後、関連施設で勤務しながら、経営に必要なノウハウまでをも習得。富山から鹿沼へは11年にも及びます。
“808 GLASS"の読み方は“ヤマヤグラス"。「僕の実家が和菓子屋で“山屋"というのです」と、全くジャンルは違っても親の屋号を継いだことを教えてくれた大山さん。育ててくれたものと培っていくものが融合されていくようです。
店内に並ぶ器たちの表情や色合いは様々です。ポップなものもあれば、周囲の光や景色を吸収してもなお透明なままのグラスも。ランプシェードや器などのオーダーメイドも可能と聞き、形に合わせたガラスの質感、技法の選び方にも興味が湧いてきます。
吹きガラスの体験もできます。使える色は豊富な上に、グラスやボウルなど、できる限りの相談に応じてくれるそうです。(T.H )
住所/栃木県鹿沼市御成橋町1-2263-6
TEL・FAX/0289-74-5100
営業時間/11:00〜18:00
定休日/月曜日・火曜日
【吹きガラス体験】
開催日/毎週日曜日・祝日、平日は3名以上なら可 ※予約制
開催時間/9:00〜18:00 ※お1人様30分程度
料金/3,500円 ※送料別
対象/小学生以上 ※小学生は保護者同伴
>ホームページ http://www.808glassworks.com
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