関東平野のほぼ中心に位置する旧・猿島町(現在の坂東市生子)では、古くから「やぶきた茶」を使った緑茶の生産が盛んに行われてきました。利根川の育む肥沃な大地で栽培された濃厚で風味豊かな高級緑茶は、明治時代には海外にも輸出されていたとか。そんな銘茶の産地で唯一、紅茶を製造・販売しているのが「ばんどう紅茶園」。店主の根本さんにお話をうかがいました。
「2代目として茶園を引き継ぎ、8年前から弟と紅茶作りを始めました。栃木の紅茶工場で2年勉強をして、その後も試行錯誤を繰り返し、ようやく軌道に乗り始めたのが2年前です。紅茶の産地であるインドやスリランカで使われている茶葉と違って、この地域で栽培しているのは緑茶として親しまれてきた『やぶきた茶』。紅茶は茶の葉を発酵させて作りますが、やぶきた茶ならではの発酵のさじ加減が難しさであり面白さですね。緑茶由来の紅茶なので風味は軽めですが、その分、フレーバーティとしてバリエーションが楽しめるのも魅力です」。
そんなばんどう紅茶園で定番人気なのが「生姜紅茶」。地元の契約農家から仕入れた生姜のチップが力強く香り、体の芯からポカポカ温まると評判です。
「生姜紅茶の生姜は地元の契約農家から仕入れたものを低温乾燥させて風味を残しました。他のフレーバーティも、柚子は自宅で育てた柚子の表皮を薄くむいて乾燥させるなど、天然&国産にはこだわっています。日本茶と同じ感覚で誰でも気軽に飲める健康茶として、多くの人の生活に溶け込んでほしいですからね」と根本さん。「いつの日か茨城の名産として認められるよう頑張りたい」と語る笑顔には、紅茶への熱い想いと日々の充実感が満ち溢れていました。(M.M)
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