“M+cafe”は、ハンディキャップを持つ方達の作品を紹介する「もうひとつの美術館」に併設した、ギャラリーカフェです。美術館で催されている企画展と連動し、関連商品も扱う、ミュージアムショップでもあります。
建物は廃校となった旧小口小学校の校舎。明治10年の創設時からの校舎と、増築して作られた新校舎が渡り廊下で繋がっていて、その新校舎側、職員室と放送室だった場所が“M+cafe”です。カフェスペースにはテラスのようなエリアがあり、グラウンドを見渡すにはちょうど良い感じです。学校だった当時、そこは元放送室だったそうで、運動会のときにこの放送室をそのまま活用。生徒たちも校舎(現「もうひとつの美術館」)の中から声援をおくるという、ちょっと面白いスタイルだったらしく、強い日差しも避けられて、狭いことが幸いしたような…そういう想像を楽しむこともできました。
ショップは元職員室。「昔はここで先生に叱られた」という記憶を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、今は楽しくなるような商品ばかりが並ぶ場所に様変わりしています。
中央のテーブルスペースには企画展と連動した商品、周囲を囲む棚にはレギュラー品が並んでいます。ほとんどが、ハンディキャップを持つ方達の絵や、造形品を商品化した、他店ではなかなか手に入らないものばかり。こんなに個性的で、優しくて躍動感ある作品、商品は自分にだけではなく、誰かにプレゼントしたくなってきます。それはきっと、ひとつひとつに宿る作家の悦びと、関わっている人・支えてくれている方達の想いが一緒になって、私たちの手や目を通じて伝わってくるようで、手にした人が幸せそうに微笑むような気がするのです。
カフェのメニューはいたってシンプルで、国内産無農薬小麦粉で作られたクッキーと、「もうひとつの美術館」のオリジナルブレンド珈琲、オーガニックの紅茶などといったドリンク類だけです。「ここで食事も楽しみたい」というリクエストが多くても、建造物の条件・状態上、本格的な厨房の設備にするのも難しいため、どうしても出せるものが限られてしまうのだそうです。でも、この空間が心身を満たしてくれるので、それで十分にも思えました。
心を愉快にしてくれる作品や商品に囲まれて、ゆっくりと寛いでみてはいかがでしょうか。(T.H)
住所/栃木県那須郡那珂川町小口1181-2
TEL/0287-92-8088
営業時間/10:00〜17:00
定休日/月曜日休館(但し、祝・祭日は開館、翌日休館)展示替え期間、冬期は休館※詳細はお問い合わせください
駐車場/有り
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(登録第5290824号)