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佐野駅前通りを車でまっすぐ南下すると、やがて右手に漆喰の白壁の建物が目に入ります。ジェラートカフェ「サンタルチア」です。
創業は1998年で、おそらく栃木県内で最初のイタリアンジェラート店です。当初は植上町にありましたが、テナントで狭く、駐車場も少なかったことから、現在の場所に新店舗を作り移転、2012年元旦に再オープンしました。その際、店舗の設計・施工をお願いしたのが、自然素材の家づくりをしている壬生町の「オーガニックスタジオ」です。「安心、安全な場所で食べてもらいたかったので」と、オーナーの髙橋昌一さん。店内は作家もののオブジェやスタッフの描いた黒板、オーナー自作のスピーカーなどが飾られ、遊び心のある暖かい雰囲気です。
ジェラートは常時20種類ほど店頭に並びます。ピスタチオやミルク、抹茶など定番のものもありますが、なんといっても季節のものを味わえるのが、ジェラートの魅力です。「旬の果物や野菜をダイレクトに使えるのが、醍醐味ですね。地元の方はあまり意識されていないようですが、佐野は果物や野菜の豊富な地域です。地場産の材料を使うことで地産地消にもなりますし、農家の方が大事に作ったのにちょっと傷があるだけで商品にならないものでも、ジェラートの材料なら生かせますしね」と髙橋さん。市場で地元の良い材料を仕入れ、手間を惜しまず、一から丁寧に作っています。時には自ら育てた野菜を使うこともあるそうで、「この紫いもは、昨年市場で出会った生産者さんに苗を分けてもらって、今年、前の畑で収穫したものなんですよ」
店を続けていく内に農家や生産者さんとのつながりができ、例えば小さな直売所の桃をソルベ(シャーベット)にして、桃と一緒に直売所でも販売したり、茨城県結城市のイベントで、地元の蔵元「武勇」のお酒を使ったジェラートを販売したり、といったコラボレーションも実現しました。「いいか悪いかではなく、大手ではできないこと。これからもそんなことをしていけたら」と語る髙橋さんが手がけたジェラートは、どれも優しく、どこか懐かしい味でした。(小森谷 郁)
住所/栃木県佐野市植下町467
TEL/0283-21-3285
営業時間/11:00~19:00
定休日/木曜
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