ゆたり倶楽部

[スタジオ] 記事数：2

◎スタジオ

studio baco
[栃木県宇都宮市]

森に佇む音楽スタジオ&ギャラリー。
人とアートのつながりは二つの箱から生まれます。

　深い緑の森へと続く、まっすぐな一本道。その道沿いにユニークな二つの箱型の建物を見つけました。アーティスティックなウッドフェンスに、ささやかに描かれた「studio baco」。今年4月にオープンしたばかりの音楽スタジオとギャラリーがひとつになった、新しいスタイルの複合店舗です。

　ガラス扉を開くと、待っていたのはシンプルで開放的な空間。その片隅には、蜜蝋キャンドルや陶器、手描きの衣類小物など淡くやさしい色合いの作品が並んでいます。「どの作品もこの豊かな環境と一体となれるような、自然をモチーフにしたものばかりなんです」そう話すのは、ギャラリー担当の小林美和子さん。美和子さん自らも貝殻をつかったアクセサリーなどを創作。自然を連想させる、ナチュラルなテイストのものづくりをしています。
　そして、音楽家でもある旦那様の良輝さんが担当するのが音楽スタジオ。優れた音響機材と設備が整ったスタジオは、利用時間も料金も良心的で、幅広い年齢層の方々に好評だそうです。そんなギャラリーとスタジオの中心にあるのが、お二人のこだわりのカフェスペース。「ギャラリーを楽しんだ後に、または練習後のバンドミーティングの場として、訪れた方々にゆっくりと充実した時間を過ごしていただきたくて」ドリンクも無料で提供。それは、お互いラフな関係で気軽にこの場所を使ってほしいという、小林さんご夫妻の思いが込められているからでした。

　「ここはただの『箱』なんですよね。お客様の好きなようにこの『箱』を自由に使ってもらえれば、私たちも嬉しいんです」7月には「otobaco(オトバコ)」というライヴイベントも開催。今後も定期的に続けていきたいと良輝さんは話します。ジャンルの枠をこえた、アーティストたちの感性に満ち溢れたこの「箱」は、人とアートをつなぎ、これから様々なかたちをみせてくれるはず。そう、それはまるで、おもちゃ箱のような輝きを秘めて。(m.m.)