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笠間芸術の森公園からも近い、国道355号沿い。2階建てのふたつ屋根「ツクルイエ」は、1階がハンドメイドショップとカフェで、2階が竹細工工房と美術教室。それにプラスして竹細工などのワークショップも開催しています。〝顔の見えるモノづくり〟を様々な角度から紹介しているこの場所には、一括りにできない魅力がいくつも詰まっています。
ハタハタと風になびく手描きの暖簾をくぐり、ガラガラ引き戸を開けると、どこか懐かしい学び舎のような雰囲気の室内。明るい日差しがたっぷり入るショップコーナーには、県内外10名以上の作家さんの竹細工や陶器、絵画、バッグ、アクセサリーなどがセンス良く並べられています。共通しているのは〝作ることを心から楽しんでいる〟ということ。どれも個性的で唯一無二の作品ばかりです。そんな作品たちをゆっくり味わってもらいたいと併設したカフェでは、地元「千代田ベーカリー」のパンを使った「やきぱん」や「HOME ROAST COFFEE夢豆」の自家焙煎豆を使ったハンドドリップコーヒー、ドリンクがいただけます。
続いて、2階は体験&教室エリア。かつて竹細工産業が盛んだったこの地で、伝統技術を継承していこうと立ち上がった「笠間いわま竹細工工房」は、後継者育成講座や体験教室などを開催しています。美術教室「満月のこども」を担当するのは、作家のあたかゆきさんと薺藤詩織さん。見て・触れて・描くがいつの間にか日常になるようにと、自然体で行う教室は月曜日と土曜日の開講です。
いろんな顔をもつ「ツクルイエ」。ここは元々、様々な場が連結して笠間に新しい動きを起こそうと結成された「BARENDO(場・連・動)」の拠点だったそう。メンバーだった総合美術家の藤本均さんと、奥田製陶所の奥田達雄さんが、活動の新しいカタチとして「ツクルイエ」のオーナーとなり、2017年4月に新スタートしました。「最初から完璧を目指すオープンではなく、感じたものやいろんな人の意見を取り入れながら、終わりなく作っていくスタイルなんです」と話すのは、スタッフの安宅愛樹さん。内装も自分たちで手掛け、壁を外したりペイントしたり、家具を調達してと、その時々でしっくりくる空間を創り出しています。
「ここは、人の興味によって感じ方がいろいろ。来る人によって目の付けどころは様々です。作家だからというのではなく、誰でも作ることはできる、作ることの楽しさを知ってもらえるように、気軽に体験できる場にしていきたい」。まるで、覗くたびに違う模様を楽しませてくれる万華鏡のように、訪れるたびに新しい発見をくれる「ツクルイエ」。体験教室に参加するもよし、ふらりお茶をするもよし。ふたつ屋根を目印に訪ねてみると、自分の中に眠っている思いがけない興味の扉が開くかもしれません。(柴田 亮子)
住所/茨城県笠間市下市毛45
TEL/0296-71-5006
営業日/10:00〜18:00
定休日/木曜日
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