陶芸で有名な益子町は、栃木県有数の観光地です。その益子に2013年、「タコス&ハンバーガー中山タコス店 MUKUBAR(ムクバル)」がオープンしました。
代表的なメニューは “テクス・メクス”(アメリカナイズされたメキシコ料理)のタコス。ランチプレートには辛く味付けされたチキンとサルサソース、アボカドソースなど、ディップとソースが4種類。それらを包むのは、柔らかいのに噛みごたえのあるトルティーヤです。彩り良い野菜も揃い、トッピングのアレンジに飽くことなく楽しめました。特に、辛い味付けのチキンがなんともいえない美味しさ。中山さんいわく、唐辛子は「辛くしないと甘くならない」そうで、確かに、「美味しい」と感じた辛さには、媚薬のような甘さがありました。
もうひとつの人気メニューはハンバーガー。具材との相性を大事にして作り込まれたバンズにも定評があり、常連客の多くがタコスからハンバーガーへと移行していくそうで、どちらにするか迷うところです。
栃木県出身の中山さんですが、いろいろな縁により愛知県でバーテンダーの職へ。勤め先の酒場で、美味しいタコスやハンバーガーに出会うことに。それ以前にはアメリカで暮らし、本場アメリカの“テクス・メクス”も味わっていたから、その酒場で出すタコスと、そしてハンバーガーのクオリティの高さがわかったそうです。当時はまだお店を持つ計画はなかったそうですが、自宅でもハンバーガーやタコスを食べようと調理、研究をしていたところ、「この味をもっと大勢の方に楽しんでもらいたい」と思える味になったのが「MUKUBAR」の始まりだったそうです。こういったよもやま話を中山さんとしていると、ひとつひとつを丁寧に、大切に考えていることが伝わってきます。些細な事柄でも“なにかあるはずだ”と、探究心を持って奥へと向かっていくような感じです。そういう中山さんですから、より高みへと求め続けたタコスやハンバーガーを味わわせてくれるのでしょう。
床や什器に施されたペインティング、空き瓶を使った照明なども自ら手掛け、中山さんによってミックスされたアメリカとメキシコが目も楽しませてくれます。
益子焼を目指し、大勢の人が集まり様々な文化が交流する町へと発展していく益子に、新しい楽しみができました。「辛くしないと甘くならない」、極めたからこその味を「MUKUBAR」で、味わい深いひと時を。(T.H)
住所/栃木県芳賀郡益子町益子2740-1
TEL/090-8119-3725
営業時間/11:30〜23:30
定休日/月曜、火曜、水曜※臨時休業日等、ホームページでご確認ください
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