◎カフェ・レストラン

kandelaar
[群馬県前橋市]

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まるで異国の小さなカフェ
扉を開けて、思い思いの時間旅行へ

　お店に一歩足を踏み入れると、独特な色合いの壁に目を奪われます。夜明け前の混沌とした空のような、深い海の底のような―。桜子さんがここにお店を構える際、いちばんにこだわったのがこの壁の色。お友だちと一緒に、塗ってはあえて落とすという作業を何度も繰り返すことで、このえもいわれぬ色をつくり出したのだそうです。その壁に一層複雑な表情を与えているのが、紙風船のような愛らしいフォルムのランプたち。「アメリカン・アウトサイダーアートの、ヘンリー・ダーガーの色づかいが好きなんです」と桜子さん。10周年を迎えたのを記念して、ガラス作家のお友だちにダーガーのイメージでつくってもらいました。

　旅行好きでよく海外を旅するという桜子さん。ほの暗いお店のそこかしこには、まるで不思議の国の住人のように、旅先で出会った雑貨たちが並びます。お客さんからいただくことも多いそうで、お店の一角にはどんどん増えていったというスノードームコレクションが。どれもお国柄が出ていて、眺める人を楽しい気分にさせてくれます。古本好きで、東京の神保町にもよく通ったとのこと。覗いた書棚には、画集、詩集、洋書。かわいいものから、ちょっと尖ったものまで。桜子さんの多様なアンテナが垣間見える、スパイスの効いた蔵書が揃っていました。

　どこか遠い国にいるような独特の雰囲気。「初めての人は、ドアを開けるのにすこし勇気がいるかもしれませんね」と桜子さん。店名の「Kandelaar」は、ポルトガル語の綴りで「カンテラ」のこと。決して強い光ではないけれど、ほんのりとあたりを照らしてくれる。その小さな灯りを手に携えて、アートや文学など、様々な世界との新たな出会いの旅に出る。そんな気持ちで訪れてほしいお店です。(m.o)

住所／群馬県前橋市国領町1-13-7
TEL／027-237-0406
営業日／火曜・木曜・土曜
営業時間／13:00～19:00(曜日によって〜22:00・要確認)
※2014年8月より営業再開します。
※しばらくはドリンクメニューのみ営業、詳しくはTELにてお問い合わせください。

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