真岡市中心部の大通りから一本路地に入り、さらに奥へ奥へ…。すると、懐かしい佇まいの一軒のお店に出逢いました。今年4月にオープンしたばかりの「陶器・クラフト hanamuguri」です。
「ひと手間かけて作る、そんな作り手のこだわりがみえる古いものに心が引かれるんです。そういったものを、今に生かしたいと思って…」とオーナーの森本さんは、年代物の靴箱や引き戸などをディスプレイ棚やボードに再利用。古き良き古民家の味わいが現代にすんなり溶け込んだ、趣のあるお店を作り上げました。
曇りガラスから差し込むやわらかな光と、研ぎ澄まされた空気が流れる店内に整然と並べられているのは、森本さんがセレクトした陶器やクラフトの品々。茨城・那須・益子などの作家さんの陶器はシンプルで、普段使いにも最適。長く、大切に使いたくなるものばかりです。また、繊細な手作業により作られる竹細工、無機質ながらも温もりが感じられる鉄製小物も。「様々な作品を通じて、素敵な作家さんたちを紹介できる場になっていけたらいいですね」と森本さんは話します。
壊れてしまった壁掛け時計のゼンマイ部分に、ジュエリーをあしらったネックレスやタイルのブローチは森本さんの作品。ご自身も彫金デザイナーとしてアクセサリーを手掛けています。空想することが好きという森本さんは現在、樹脂で架空の虫の標本を製作中。リアルで、どこか愛らしい虫たちは今にも空へ飛んでいきそうで、少しずつ発表されていく今後が楽しみになってしまいました。
店内に置かれた小箱をそっと覗いてみると、ほんのり照らされた陶器とクラフトの小さな世界が―。この街にまたひとつ、心癒されるお店が生まれたようです。(m.m.)
栃木県真岡市荒町1095-16
TEL/0285-81-7080
営業時間/11:00〜19:00
定休日/木曜日
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)