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[ゆたりストに学ぼう] 記事数:52

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ハーブで街を癒し
人と自然が調和する魅力ある街づくりを

midorism
[茨城県神栖市奥野谷2545]

Yutarist
沼田聡さん

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 「また、帰ってきたくなる街にしたい」。故郷の神栖を人が集まる魅力的な場所にしたいという熱い思いを抱く沼田さん。農地として使われなくなったために荒れてしまった休耕地をきれいなハーブガーデンとして活用し、それらを広げることで、人との交流が生まれ、街全体の活性化を図れるのではないか。こうして、休耕地活用地域活性化計画といえるプロジェクト「midorism(ミドリスム)」が動き出しました。

 沼田さんは1982年神栖市生まれ。高校卒業後、新潟県長岡造形大学に進み、農業、自然、建築の空間融合を研究します。大学で勉強をしていく中で、子どもの頃に父親と過ごした自然や農業の記憶がよみがえり、研究のテーマに“建築と自然の融合"を取り上げることにしました。研究の成果は、日本建築家協会主催の全国学生卒業設計コンクールで最優秀賞受賞など、数々のコンテストで高い評価を受けることになります。大学院修了後、新潟県内の設計事務所に勤務。「新潟で10年過ごし、新潟の豊かな自然や、農業、棚田の趣きは、私のそれまでの自然を相手にした"なにか"を形にしたいという思いを後押ししてくれました」。自身の中で大切にしてきた研究のテーマを実行に移すため2010年9月、故郷に戻ることに。
 しかし、帰郷して荒れた農地の多さに愕然とした沼田さん。「工業地帯特有の無機質な景観が広がり、農業人口の減少による休耕地にはゴミが捨てられる問題も。それに伴う人間関係の希薄も不安な気持ちにさせられました」。そこで、休耕地にハーブを栽培し観光農地として活用、環境美化を図りつつ、レストランやカフェ、ショップを展開。文化的な産業として街全体をデザインし、人と人、人と自然、自然と産業といった共生により、人が豊かなに生きることができる癒しの街を作ろうと。「美しい農と、街にひらくハーブガーデン」。これがミドリスムのコンセプトになりました。「midorism」は、緑に住むような空間と、緑のism(体系)をつくることの2つの意味を合わせたもの。地域に美しい景観と産業をつくり、世界に誇れる街にしたいという沼田さんの思いが込められています。なぜハーブ?という問いに、沼田さんは「ハーブはストレスを和らげるなど心身のバランスを整える作用があり、お茶や料理、アロマセラピーなど利用の幅が広い。生活を豊かにする要素がたくさん詰まっていると思うのです。それに神栖は気候が安定していてハーブ栽培に適していますから」と。

 プロジェクトの一環として、自宅にハーブショップを開店するほか、ハーブティー講習会「あなただけのオリジナルハーブティーをつくりませんか」を開いたり、イベントに参加したり、沼田さんの歩みは少しずつ進んでいます。周りからは、共感してくれる人もいれば、見込みが甘いなど厳しい意見をもらうことも。しかし、「納得してもらえるプランを考え、自分を磨くいい機会。今は自分の活動をみてもらい、事業にかける思いを多くの人に知ってもらいたい。様々なご意見を参考にして自分のプロジェクトに役立てたい」と謙虚に受け止めている沼田さん。

 「今は工場の煙突が目立つ地方の田舎町ですが、そこにあるポテンシャルはすごく高いと思っています。神栖をハーブの街にすることで、訪れる人、住んでいる人、働く人、すべてが笑って生きられる、またここに帰ってきたくなる場所にしたい」。5年、10年、そして100年後を見据えた沼田さんの夢は着実に歩み始めています。(K.K)

midorism >http://midorismherb.s2.weblife.me

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