※長野に移住しました。
親が子どもと一緒に遊ぶ、ほんわかとした時間を大切にしたい—。家族でゆったりとリラックスできる場をつくりたい—。そんな家族を想う父親の視点から、キッズ商品の製作・販売を展開する「つくるおとうさん」。ブランドテーマは「プリミティブスタイル」。伝統的な住居などをモチーフにした原始的なデザイン、素朴なスタイルを意識しています。
看板商品は、「キッズテントTipi」。アメリカ先住民族の移動式住居「ティピ」をイメージしたものです。山口さんは考案のきっかけについて、「長女の1歳の誕生プレゼントに作りました。娘は初めのうち、なかなか中に入ろうとしませんでしたが、今では大のお気に入りです。ティピの中に一緒に入ると親子の距離が非常に近くなり、お互いにいろいろな発見があり、心身ともに密着度が増します」と話します。訪れる友人たちからは「これいいね」と好評。そのことも商品開発の後押しになったといいます。美術大学で建築デザインを専攻した山口さん。ティピやゲルなど、昔暮らしていた人たちの知恵が生かされた素朴な伝統美にずっと魅力を感じていました。「そこに潜む限りない創造性は、子どもたちの成長にとって大切なものなんじゃないか…。ごっこ遊びの暮らしのシュミレーションは、社会の基本を自然に根付かせてくれるのではないか」と。「Tipi」には、我が子の日常を見つめながら、子どもの心を豊かにする親子のゆったりとした時間を過ごしてもらいたいという山口さんの優しい思いが込められているのです。
「Tipi」には、デザイン、機能性、素材などたくさんのこだわりがあります。サイズは直径120センチ、高さ165センチ。お母さんでも簡単に移動、収納できる構造設計がみられます。掃除などで移動、または収納しなければならない時、玩具がその作業に煩わしさを感じさせるようでは、いくら子どもが喜んでも親にとっては邪魔な存在になり、ストレスを溜める原因になりかねないからです。フレーム6本の連動構造により、力を使わないアクションひとつで簡単に開閉動作ができます。また、テント設置時に上部円盤にロープを引っ掛けるだけで折畳み防止になり、子どもの引いたり押したりする行為から転倒する心配がない安全設計にも配慮されています。さらに、部屋と調和するデザインもポイントです。
「玩具であり、家具であり、オーナメントでもある室内遊具は、部屋を専有するボリュームが大きいもの。だからこそ、主張せず、飽きのこないような、素朴でかわいい、シンプルデザインに努めました」。そのほか、ベルや窓の取り付け、ひもを引っ張ると入口の開閉ができるなど、子どもが興味を引く工夫が随所にみられます。実際、展示会で出品すると子どもたちがTipiに集まり、大盛況。ユーザーからの評判も上々で、山口さんは手ごたえを感じています。
「今後は、モンゴルのゲルなど、トラディショナルなデザインを題材にしたキッズテントを含め、豊かな親子時間をつくるためのアイテムを提供していきたい。そして、日常の発見からのアイディアを大切にした「つくるおとうさんの親子ライフデザイン」を広げていきたい」。目指すところに向かって、山口さんの歩みは着実に進んでいます。(K.K)
つくるおとうさん >http://tsukuruotosan.com
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