犬と触れ合うことで、心身の回復の手助けをするドッグセラピー。栃木県高根沢町にある「dog run+cafe slow」のスタッフ・白銀くみ子さんは、お店のお客様をはじめとする愛犬家の方々、そしてセラピー犬と共に月に一度、高齢者介護施設を訪問。ドッグセラピーを通じて、お年寄りと犬との触れ合いを図っています。
白銀さんがドッグセラピーを知ったのは、今から10年以上前のこと。ドッグクラブを立ち上げるなど、ペットとしての犬との生活を楽しんでいた白銀さん。お世話になっていたドッグシッターさんのお誘いから、アニマルセラピーのボランティア活動をしている「レインボークラブ」に参加したのがきっかけでした。「初めて施設に訪れたときは、不安や心配がありましたね。でも、犬たちはちゃんとその場の空気を読んでくれたんです。普段元気いっぱい走り回る犬も、お年寄りの皆さんの前では大人しく、頭を撫でられて嬉しそうにしていました」。
犬は可愛いだけじゃない。賢くて優しくて、私たち人間に喜びの笑顔と癒しのひととき与えてくれる…。施設を訪れた後、白銀さんは今まで感じたことがなかった、犬への新しい思いが生まれてきました。「にこにこしながら犬と触れ合う皆さんを見ていたら、いつの間にか私も笑顔になっていたんです。こんなに楽しいボランティアがあるなんて!今では、心からそう思えるようになりました」実際には時間も経費もかかるボランティア活動。しかし、犬がいることで自分も人のためにできることがあるし、それ以上に得られるものがあるとボランティアの素晴らしさと楽しさを実感した白銀さん。そしてもっと多くの人に、私たち人間のために頑張ってくれている、セラピー犬や盲導犬など、使役犬への理解を深めてもらおうと、募金活動だけでなく新しいスタイルでのアプローチを始めました。
手描きの可愛いイラストに、「犬は最高の友達」とフランス語のメッセージが書かれた、グリーンやオレンジなどカラフルな色遣いのお洒落なTシャツ。これは、白銀さんが同じ思いを抱く仲間と共に製作した、「東日本盲導犬協会」のオリジナルTシャツです。「Tシャツなら、いつだって誰だって着るだけでアピールできる。このTシャツいいなって見てもらえたり、手にとってくれたりするだけで盲導犬を知るきっかけになる。何事もはじまりは、身近なところにあるはずだから」
ボランティア=余裕のある人がしてあげること、使役犬=人に使われて可愛そうな犬。そんなイメージを持つ人にも、人を思う気持ちがあれば誰だってボランティアはできるし、人が喜んでくれることが何より嬉しいと感じる犬がいることを理解してほしい。そう白銀さんは心から願い、伝えていきたいと考えています。
お店に置かれたドッグセラピーの案内書きには、最後にこう書かれていました。
「難しいことはありません。わんちゃんを触って見ていただくだけです」。
犬がいる暮らしから広がった温かなつながりのその先には、笑顔に溢れたみんなが待っていた―。たくさんの笑顔に出逢えるきっかけ、第一歩はあなたのすぐそばにあるものなのかもしれません。(m.m.)
dog run+cafe slow>http://www.dogrun-slow.jp/
東日本盲導犬協会>http://www.guide-dog.jp/index.php/
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