2012年7月8日(日)をもちまして、益子院を移転されました。新名称『Organic and Treatment 山ノ茶寮 カワダ鍼灸整体院』住所:長野県松本市蟻ケ崎2139−2 新電話:0263−87−5675
栃木県益子町。中心部からほど近い田園地帯の小道を、清々しい風と足元で健気に咲いている野花を楽しみながら、小高い丘に佇む古民家へ。築300年という、長い歴史を持つこの家で暮らす川田さんご夫妻を訪ねました。
昨年冬から、家の一室で鍼灸・温熱マッサージ・カイロプラクティック専門の治療を行なっている、ご主人の川田章夫さん。川田さんは東京・目白で10年間、その後益子町の「スターネットRECODE」内で治療院を開設していました。精神と肉体を引き離さず一体のものととらえ、「からだ」だけでなく「こころ」の調整をしていく東洋医学の考えに基づき、一人一人にあった治療を提案しています。
そして、福島・会津で古くから代々受け継がれてきた「和漢方」の知恵をもとに、現代人向けにアレンジされた奥様、牧子さんの山野草配合茶。あたたかな日差しが差し込む縁側で、季節のお茶請けとともに、ゆっくりと寛ぎながらお茶を堪能できます。そんな川田さんご夫妻のもとには、豊かな自然と静かに流れる時間のなかで、疲れた身体と心を癒しに、遠方から訪れる患者さんも多いそうです。
「空の色、雲の形、一面に広がる星々…この家から、外の景色をのんびりと眺めるのが好きなんです」そう話す牧子さん。東京で生活をしていたご夫妻でしたが、子育てをしていくにあたり「土のある暮らし」ができる地を求め、全国各地を探し廻りました。やがて娘さんの絵本がきっかけとなり、ふらりと立ち寄った益子町。その古き良き原風景を目の前にしたご一家は、瞬時に心を動かされてしまいました。「のどかな田園が広がり、清らかな川が流れ、心から感動させてくれる美しい夕焼け…、この地こそ自分たちが望んでいた理想の場所そのものでした」
家族そろって越してきた当初は、様々な戸惑いもあったそうです。しかし、協力的な地元の方々に助けられながら、田舎暮らしを開始。最近では梅干しや味噌も作り始めたという牧子さん。また、住みやすいようにきちんとリフォームされていたこの家も、お二人は古いガラス窓を取り付け直すなど、生活をしながら、少しずつ元の姿に戻していきました。それは、この家本来の呼吸を取り戻してあげたいという思いから。修理しなければいけない箇所は、なるべく釘を打たないようにするなどして、まるで家を人のように思いやり、手入れをするご夫妻。風が吹き、カタカタと音がするガラス窓に優しい眼差しを注ぎながら「この家に教えてもらうことって、すごく多いんですよ」と、微笑みました。
「健康」にとって一番大切なことは、シンプルで丁寧な日常の積み重ねであるとお考えのご夫妻。「衣食住にかかわる、こころとからだにやさしい日常について、この場所からたくさんの方に提案していきたい」と、今後の抱負を思い描く章夫さんには、何不自由ない時代になってきた今こそ、本当の豊かな暮らしについてもう一度見つめ直していこうという、強いメッセージが込められていました。
流れゆく季節を感じながら、慎ましく温かな暮らしを始めた川田さんご一家のやさしい日常は、懐かしく心安らぐこの家が教えてくれているのかもしれません。(m.m.)
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