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【文月】 天の川の見えない七夕

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 7月7日は七夕の日。天の川のなかで織姫と彦星が一年に一度出会えるという日。でもこの時季はちょうど梅雨の真っ盛りで、残念ながら夜空を見上げても曇っていたり、雨の降ることも少なくありませんね。

 というのも、そもそも七夕を含む五節句(1月7日の七草の日、3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、9月9日の重陽の日)は旧暦の日付をそのまま新暦に当てはめたものなので季節的には1ヶ月ほどずれているのです。
 なるほど、そういうわけでカレンダーどおりの七夕の日では日本は全国的に梅雨の最中で、統計的に新暦で晴れる確率は約26%(東京)と低く、そのうえ月齢が一定しないために、晴れていても月明かりの影響により天の川が見えない年もあるのです。なので天の川が見える確率という点では、梅雨が明けている旧暦、もしくは月遅れの七夕の方がかなり高いということです。今でも東北や北海道では月遅れの8月7日に七夕をすることが多く、仙台のお祭りが有名ですね。
 そんな旧暦のお話を知ってから私は七夕をひっそりと旧暦の頃に愉しんでいます。何も大げさなことはしませんが、旧暦の七夕の日を調べ(ちなみに今年は8月26日)、その日の夜晴れていれば外に出て夜空を見上げるのです。月も旧暦の7月7日だとちょうど明るすぎない上弦の月が。昔の人はよく暦と季節を熟知してこの行事を楽しんでいたものだな、とつくづく思わされます。
 そして7月7日に願い事を書いた短冊を笹が用意できなければ軒下に吊るし、旧暦の七夕までそのままにしておきます。夏の間吊るしておくので、風鈴なんかに付けてみるのもまた面白いと思います。
 あとは七夕といえばおそうめん。これは織姫の織り糸や天の川をイメージしているそうです。いつものおそうめんに華やかな錦糸卵や星に見立てたオクラなどをトッピングして、少し賑やかにしてみるのもいいですよ。

 ちなみに、七夕に降る雨を「催涙雨(さいるいう)」また、「洒涙雨(さいるいう)」といい、織姫と彦星が流す涙だと伝えられていますが、綺麗で切ない響きがあるな・・・
と日本人のこころ、日本語の美しさを感じます。


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