6月は陰暦で「水無月(みなづき)」と書きます。美しい響きですが、ちょうど梅雨に入るこの時季になぜ「水が無い月」と書くのだろうか?と疑問に思っていたところ、調べてみるとこれには様々な説がありました。
「梅雨で天の水がなくなる月」「田植で水が必要になる月」などからきているという説や、水無月の「無」は「の」という意味の連体助詞「な」であり「水の月」であるとあらわしているということです。
そして暦の上では、立春から数えて135日目・芒種から5日目を「入梅」としています。この日から約1カ月が「梅雨」となりますが、あくまでも暦の上の入梅であり、かつては農を営む先人が梅雨入りを知る目安としたものでした。
この「入梅」の時季はまさに梅の実が熟す頃。そして人々はこの梅で日本の優秀な保存食である梅干を仕込んでいたものですが、手軽に美味しい梅干がどこでも買えるようになった現在、塩に漬けて、干して・・・と手間のかかる梅干を仕込む家は少なくなっています。
でも、せっかくの旬を愉しまないのはもったいないですね。そこでもっと手軽に旬の梅を味わうためにおすすめなのが、梅のはちみつ漬けです。これは本当に簡単ですが、一回仕込めば夏の間、水や炭酸水で割ったり、ゼリーにしたりといろんなアレンジもできて梅の味を十分愉しむことができますし、暑さでバテてくる、食欲が落ちてくる夏のからだにもぴったりです。
私もまだ梅干に挑戦するほどの余裕がないとき、まずこれからはじめてみました。仕込みの際のあくぬきのとき、梅を水につけるのですが、時間が経つと漬けた梅からなんともいえない爽やかな甘酸っぱい香りがたちのぼり、その香りにしばしうっとり。梅そのものにあまり馴染みがなかったけれど、まさに旬の果実なんだなと実感したものです。それから梅酒なども仕込むようになりましたが、この仕込みのときが待ち遠しくなり近くで梅がなっていたり、お店でも梅が並び始めると、「今年もきたきた」とちょっぴりそわそわ。
「6月って梅雨がいやだなあ」とばかり嘆かずに、こんな愉しみ方をもっていれば梅雨も少し待ち遠しくなりませんか?
<梅のはちみつ漬け>
青梅 1kg
ハチミツ 800g~1kg
殺菌した保存容器
竹串やフォーク
1)青梅は、丁寧に水で洗い、たっぷりの水に2~4時間つけてアク抜きをする。
2)水気を充分にきり、なり口の部分を竹串などで丁寧にとり除き、青梅に竹串やフォークなどで穴をあける。
3)殺菌した保存ビンに梅を入れ、はちみつを注ぎ、梅の表面が乾かないよう、ガーゼなどでおおう。
4)冷暗所などで保存し、時々かき混ぜれば、1ヶ月ほどでできあがり。
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