4月。初めての学校、新しく社会人となる人、新天地での生活などなど新しい暮らしがスタートするこの月。多くの人が様々な想いで、初めてのことに戸惑い、また新鮮な気持ちで毎日を送っていることでしょう。
暦の上では「清明」といって万物が清らかに芽吹き、いきいきとした様子の「清浄明潔」をあらわす時季。桜をはじめさまざまな草木が花を咲かせ、気温が徐々に上昇し春本番を迎えます。ただ4月中は「寒の特異日」という寒さが突然にやってくるころでもあり、体調を崩しやすい時季でもあるので気をつけたいものです。特に今年は春の天気が変わりやすく、いつになったら本当に春は来るの?といった感じです。これも暦の上では「穀雨」といって4月20日ごろにはお天気が安定してくると昔から言われています。
さて、次第に暖かくなってくるとお弁当を持って外ご飯したくなりますよね。休日のピクニックや平日の仕事や学校の合間の休憩時間。ぽかぽかの陽気に包まれて、青空の下で食べるご飯はまた格別です。昔の人々もそうだったようで、旧暦の3月から4月頃には「山遊び(野遊び、野がけ)」などといって農の繁忙期に入る前に、春の野や山に出かけ、草花を摘み景色を楽しみ、酒盛りをしながら歌ったり踊ったりして一日を過ごす行事があったようです。日程も地域によって定められていて、東北地方では4月17日から20日ごろ行われることが多く、この日は重箱に煮しめや焼き魚などを詰め、見晴らしのよい高い山に登り、「作神さまにあげ申す」と唱えてお祝いをしました。まさに現代のピクニックと重なるものがあります。
日差しがまだ柔らかく、梅雨までのこの季節、せっかくなので張り切ってお弁当を用意して自然がいっぱいの場所へお出かけしたいものですね。この日ばかりはコンビニのおにぎりや出来合いのお弁当ではなく、ちょっとだけ手間をかけた手作りのもので。ある程度の人数が集まったらポットラックパーティーのように持ち寄りであれこれ作っていくのも楽しいかもしれません。馴染みのお友達とはもちろん、新生活で出会った新しい仲間とこんな集まりをするのも早く打ち解けるいい機会ではないかなと思います。
私ももちろん春になると、というか、暖かくなってきたなと感じるとすぐお昼を持って外に出ます。友達との約束がなくても今日はお天気だなという日は庭先や公園のベンチで。今年はよちよち歩きの娘を連れて、おひさまの恵みも一緒に楽しく美味しく味わっています。
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