アメリカ映画やドラマで登場するハイウェイを疾走するハーレーダビットソンに警察官がまたがっているシーンは、多くの人の記憶に残像として焼き付いていることでしょう。ハーレーダビットソンが生み出すその重厚な音と鼓動は、多感な若者たちの感性を震わせるにはいられないものです。その魅力にとり憑かれた”信徒”にとって、ロナーセイジの名前は生涯に一度は訪れたいあこがれの巡歴の地の代名詞でもあるようです。
「アメリカ人と日本人との意識の違いを感じ、東京での空間の広さにもうんざりしていて、今の場所に落ち着きましたが、意外に東京にも近く、夜遅くまで青山を歩いていても、1時間ほどで満天の星空の下に帰れます」というこのロケーションは、エンドユーザーのための渾身のマシンを作り上げるために欠かせないもののようです。時間に追われることによって仕事の手間を省くということがなく、じっくりと積み上げて完成に近づける作業のためには、ゆったりとした空間と時間は不可欠の要素です。
晩秋の木漏れ日が斜めに差し、立てかけてあった愛用のギターに長い影を引かせていました。
「中学生のころからギターを弾いていて、遊びはカンフル剤のようなもの」という愛用のギターとハーレーは心地よいハーモニーを響かせていました。違和感を感じさせない空間で創造されるバイクと音楽。名ビルダーはそれぞれの完熟の時期を知り尽くしているようです。(前田)
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