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[地方に暮らす。[益子編]] 記事数:10

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|最終話|農とモノづくりとパンのある町 その3

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地方の町の生み出すもの、
そしてこれから



 言わずと知れた陶芸の町・益子。民芸の町として栄え、日本各地から陶芸をするために、または陶芸だけでなく様々なモノづくりをするために昔からひとの集まる場所―
 しかし、様々な不況からか、町の焼き物屋さん、その他飲食店を営む人の口からはあまり景気のいい話は出てきません。観光地ではあるものの、ここ何年かはそれも少し翳りが見え、このままではいけない、何か始めなければという声も上がってきています。そこで、いろんな分野の人々が手を結び、マーケットや地域コミュニティーや、町の未来を考える集まりなどが開かれたりもしています。農を営む人、陶芸家や焼き物屋さん、カフェを営む人、パンを作る人、地元の人や移住してきた人…仕事は違っても、歳は離れていても、もっと面白いことをやりたいとか、より良い、気持ちいいと思える暮らしの形を求めたりとか、町をもっと盛り上げたいとか、向いている方向が同じ人たちが少しずつ集まって新しい何かが動き始めています。それが結果的に、焼き物の町・益子のもっと多彩な顔を見せられることに繋がるような気がします。

 今回の取材で、パン屋さんから聞いた話や、この町で出会った人たちから耳にするのは「ここだったら何かできるんじゃないか」ということ。初めから強い目的を持ってお店を始めたとか、昔から計画を練って・・・というのは案外少数派で、何かのきっかけで住むようになって「いい繋がりができたから、ここで始めようと思った」とか「住んでいたら気に入ったから」という声をよく聞きました。益子焼がこれだと一口に言えないように、開放的で柔軟で、いろんなものを受け入れる、そんな空気を昔から持っている場所なんだろう、という答えに行きつきました。そういう土地柄だからこそ、様々な人たちが日本全国から集まり、思い思いに好きなことをやり、面白いとお互いに思った人たちが手を結び、その輪が広がっていく。

 少し試行錯誤しながらでも新しい何かを生み出そうと、この町は次の段階に手をかけつつあると、今回の取材や最近の益子の動きからそんな新たな希望の風を感じたのです。(寒河江絵美)


益子とパンと暮らしの繋がり・完

・農とモノづくりとパンのある町
 >最終話 >第八話 >第七話 
・温めてきた夢を形にした 小さなパン屋さんの物語
 >第六話 >第五話 >第四話
・スローな益子ライフの中で日々パンと向き合う人々
 >第三話 >第二話 >第一話


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