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[地方に暮らす。[益子編]] 記事数:10

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|第七話|農とモノづくりとパンのある町 その1

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人と人とモノを繋ぐ土曜日のマーケット


 陶の里・益子では春と秋と年に2回、陶器市という大きな催しものがあり、焼き物屋さんやその他様々な分野のモノづくりの人が出店し、各地から人が押し寄せて賑わう益子の特徴的なイベントになりますが、このシリーズの中で何度か紹介してきた益子の土曜のマーケットも様々な分野の人が集まり、初めて訪れる人は「この小さい田舎町にこんなにお店があるんだ」「こんなことをしている人もいるのか」と驚くべきものがあるのではないかと思います。そのマーケットは毎月第一、第二、第三土曜日にあり、昔から続いているものもあれば最近開かれるようになったものもあり、そしてその目的もそれぞれです。

 第1土曜日は益子の地域コミュニティである「ヒジノワcafé&space」で行われます。「ヒジノワ」は「土(ヒジ)の日」と題して行われるマーケットではその月ごとにお題があって、蚤の市だったり、地元の商店の方や農家さんも参加して昔ながらの生活用品や無農薬野菜、旬の果物が並ぶこともあったり、パン屋さんばかりを集めた「パンサミット」だったりと様々な試みをしています。昨年から本格始動したこのヒジノワの活動は地元の人はもちろん、近隣の町や県外の人などもいろんな形で参加していて、このマーケット以外にも展覧会やワークショップ、またこれからお店を持ちたいという人のカフェの出店などの新しいビジネスのチャレンジの場としても注目され、益子町を活性化させる一つの火種となりつつあります。


 第2土曜日には青空市という益子で子育てをするお母さんたちが運営するマーケットがあります。「子供たちに安全、安心な食べ物を」というスローガンのもと、地元の無農薬野菜やお豆腐屋さんの豆腐、おばあちゃんの作るお惣菜、また手作りの作品などが並び、その月のメインの食べ物として、例えば1月は「七草粥」5月には「柏餅」などをその場で子供たちも交えて作ったりもします。母親同士と子供同士の交流の場でもあり、地元の食材を選ぶ、旬のものを頂くということを知る食育の役割もあるマーケットです。

 そして第3土曜日にはVol.2でも紹介した「益古時計」で行われる益子土曜市があります。
これは益子は陶器市だけでなく「一年通して来てもらえる益子」にしようという狙いと「地元の人も集まってもらえるように」という想いがあり、益子のカフェやパン屋さんなどお店を持つ人々が集まって行われています。益子でも人気のカフェやパン屋さんが出店し、地元の人はもちろん遠くから足を運ぶ人も多く、毎回大きな賑わいを見せています。

 このように益子には土曜に開かれるマーケットが様々な役割を持ち、焼き物屋さんが並ぶメインの通りを歩いただけではわからない、陶器市に来ただけでは味わえない面白さや地元の美味しいもの、目新しい物事があります。それはいろんな職種の人と人との繋がりから新しい何かが生まれるここならではの文化かもしれません。(寒河江絵美)
>第八話へつづく


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