春にはあちこちで田植えがはじまり、田んぼに水が入ると、夜には蛙が鳴きだし気がつけば初夏の頃。真夏の暑い時期には青々とした稲が心地よい風を運んでくれる。次第に稲穂が頭を垂れ、朝晩涼しくなる頃にはあんなに青々としていた田んぼは黄金色に。そして秋、次々と稲刈りがはじまり、はさがけをする風景。四季折々の豊かな景色を愉しませてくれる田んぼはまさに日本人の心ですね。
でも今はどんどん米の消費量が減り、加えて減反があり、食べていけない農家さんや跡取りがいない農家さんも多く、放置される田んぼも増えているそう。日本の農業は今、深刻な問題に直面しています。私は農業を営んでいるわけではないので偉そうなことは言えませんが、この大事な日本の米文化は未来に残していかなくてはもったいないし、そうしなくてはいけないと思います。様々な食べ物を輸入し、食料自給率がどんどん下がっていますが、せめてお米だけでもきちんと日本のものでまかなっていけたらと思い、せっせとお米を食べる毎日。
さて、そんな風に田んぼが減ってきているということですが、うちの近所にはまだまだ田んぼがいい景色を見せてくれています。そして、稲の天日干しも終わり、いろんなところで「新米」の文字を見かけるようになりました。ふだん我が家では玄米や分づき米にしているのですが、この新米の時だけ贅沢気分で白米をいただきます。少しだけ精米をしてきて土鍋で炊くのはちょっとしたうちの収穫祭。こうやって頂く白米はすごくありがたいものだなあとしみじみ噛み締めながら味わいます。土鍋を出したついでに次は炊き込みご飯で。さつまいもご飯や豆ご飯などやはり秋の採れたてのものを使います。普段炊飯器の方はちょっと面倒、とか上手に炊けるかわからないと尻込みするかもしれませんが意外にも簡単で、何より見た目も味も味わい深いものになります。
「はじめちょろちょろ なかパッパ ぶつぶついうころ火をひいて 赤子泣いてもふたとるな」とは羽釜(木の蓋のお釜)に薪で炊いていたころの謳い文句です。土鍋で炊くときはものにもよりますが、ご飯をしっかり30分ほど浸水したら強火で沸騰させ、弱火で5分。あとは火を消し20分ほど蒸らせば出来上がりです。最後の3分くらい強火にすればおこげもできます。蒸らし時間はふたをとらないのは鉄則。でも何も難しいことはありません。美味しい炊き立てのご飯は何よりのご馳走です。ご飯を家族みんなで囲んで、今年の収穫を祝いながらたのしく食べたいものですね。
<コラム>食料自給率アップの救世主?
米粉とはその名の通り米を粉末にしたもの。一口に米粉といっても実はその種類も様々。今までは上新粉など主に和菓子の材料としてお店には並んでいましたが、最近は製粉技術の進歩により、お菓子やパンや麺に使えるようなものも。活躍の場が広がった米粉にはさまざまな可能性が期待されています。それぞれの違いを知って、上手に毎日の生活にお米の粉を活用してみませんか?
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