[わたしの歳時記] 記事数:23
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山上憶良が万葉集のこの歌を詠んで以来、これらの草花が一般的に「秋の七草」とされました。
春の七草は、無病息災を願っていただく七草粥として有名ですが、秋の七草にはそれを使って何かをするというものではなく、秋の訪れを知らせる美しい花々として鑑賞されてきました。
4月・卯月の清明の頃に入りましたが、今年は例年に比べ、気温が低いようです。ここのところ日中はやっとコートも手放せるようになって、気が付けば家々の庭に咲く花や野山にある木々も少しずつ春の色を纏って、華やかな空気を醸し出していますね。
すっかり木々の葉も落ち、秋色から冬の景色に変わりつつあるこの頃。ひゅうるりと思わず身を縮めてしまうような北風が吹いてくると、そろそろ香りの出てきたかりんを蜂蜜に漬けよう、とか、またいつもの農家さんにお願いして大根を干そう、とか、冬支度のことを考えてなんだかうきうきした気分に。冬の保存食、というとなんか少し大げさな気がしますが、いろいろな食べ物が一年中スーパーで買える今だからこそ、旬の食べ物を大事にして、ほんの少しずつだけでもお愉しみ程度から何か漬けたり、干したりといった保存食を作るのもまた季節を感じ、新しい味の発見になる面白い作業だと思います。
今年の夏は毎日が猛暑日とお天気では伝えられ、「夏は暑いもの」とはいうものの、きちんと養生しないと倒れてしまう人が続出するほど。現代の住宅事情ではエアコンなども上手に利用しないと大変なことになるし、またこの異常気象があちこちで見られるのにやはり不安を感じずにはいられない夏でした。
梅雨までのひととき。植えつけられたばかりの田んぼの青と、実った小麦のまさに小麦色のコントラストが美しいとき。季節とともに移り変わっていく田畑の景色はお天道様と雨と作物を育てているお百姓さんの手によって成り立っているものであり、それはとてもありがたい自然の恵み。もうすぐじめじめの梅雨だと憂いでばかりもいられません。日本人だからこそこのお天気とうまく付き合いながら生きていくほうがずっと心地よいものです。
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