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[地方に暮らす。[前橋○○部]] 記事数:10

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第三話|走ることで人がつながる

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前橋〇〇部で最も部員数の多い部活「前橋トレラン部」。2013年4月「ウルトラMt.FUJI」に参加した部長・栗原さんを部員たちがフルサポート




こんなに前橋がワクワクしたのは久しぶりだ!

 走ることで街の隠れた魅力を発見し、人と人とがつながるランニングイベント「ソーシャルマラソン」、略称シャルソン。2012年7月1日、「前橋〇〇部」は部活動以外のイベントを初めて主催します。それが「まえばしシャルソン」。
 決められたコースを走り、タイムを競うマラソン大会とは異なり、スタートとゴールの場所と時刻だけを決め、あとは同じTシャツを着た参加者たちが街を自由に走りまわるのがシャルソンの特徴です。シャルソンの創始者は東京・世田谷区で飲食店を経営する佐谷恭さん。これまでに100大会以上が開催され、前橋は4番目の開催でした。
 前橋〇〇部部長の藤澤陽さんいわく、「コースなし、競争なし、チャリあり、徒歩あり、休憩推奨。街や人や風景を味わう自由すぎるマラソン」というわけです。
 FBページで大会開催と参加者募集の告知をしたところ、約60人が名乗りをあげました。かつて、東京・秋葉原のNPO「リコリタ」で活動していた頃は、1000人規模のイベントを何度も手掛けてきた藤澤さん。でも、その見た目の華やかさに、どこか虚しさを感じていたといいます。「規模は小さくていい。まえばしシャルソンは、参加者1人ひとりの満足度を追求したい。それは東京への反抗心かもしれない」、藤澤さんは前橋〇〇部を共に立ち上げた岡田達郎さん、岡正己さんと共に、誰もが楽しめる仕掛けづくりに奔走し始めました。


ユニークなPHで告知された「まえばしシャルソン」


 仕掛けの1つが「給〇ポイント」をたくさんつくること。市内の飲食店や食品店に協力してもらい、その店に立ち寄れば給水のほかに、ランナーに無料で食べ物や飲み物を提供してもらうというものです。「給餃子ポイント」「給ベーカリーポイント」「給紅茶ポイント」から、市街地の寺院による「給お祈りポイント」まで、合計16の給〇ポイントが生まれました。
 また、シャルソンを楽しんでいる様子を、参加者に随時、FBやツィッターでUPしてもらい、ゴール後にBBQをしながら報告会をすることも決定。「報告会でのプレゼンが一番面白かった人を優勝者にしよう」というルールも決めました。
 次々と生まれる給〇ポイントやユニークなルールを来る日も来る日もFBで発信し続け、前橋の街も、参加者も、徐々にテンションが高まってくるのを肌身で感じる藤澤さん。大会2日前、FBにこうコメントしました。
 「こんなに前橋がワクワクしたのは久しぶりだ。Party has already started」


本格的な紅茶をプレゼント「給紅茶ポイント」




60人が共有した時間の熱量は高かった!

 まえばしシャルソン当日、朝から大雨という最悪のコンディションでしたが、主宰者も参加者もやる気満々です。「どれだけ面白いことをしてやろうか、という熱い空気がみんなの間に漂っていた」と藤澤さんは振り返ります。
 敷島公園近くのケーキショップからスタートし、思い思いに前橋の街を遊び、シャルソンのトレードマークである緑色のTシャツを着た人と出会えば、手を振り合う。市街地から離れた給〇ポイントにはほとんど人が来なかったところもありました。でも、各店舗の方々はそれすらも楽しんでくれました。「頼んでもいないのに、水やお茶を用意してくれていたのが印象的だった。丁寧に告知を続けてきたのが伝わったのかもしれない」。
 参加者もほとんどの人が大会後のゴミ拾いや片付けまで残ってくれました。「60人が共有した時間の熱量はかなり高かった」と手ごたえを感じる藤澤さん。
 大会後の報告会も大いに盛り上がりました。自分の今日1日を自慢げにプレゼンする参加者たち。珍しいマンホールの蓋を探して写真に撮りながら走りまわった人もいれば、16の給〇ポイントをすべて制覇した人もいました。優勝したのは前橋市社会福祉協議会に勤務する高山弘毅さんです。
 その日は娘さんの誕生日だったため、スタートしてすぐにバースデーケーキとテイクアウトの惣菜を買いに走った高山さん。大きな荷物を抱え、いったん自宅に戻り、家族を伴っておばあちゃんの家へ。そこで3世代で楽しく誕生パーティーをした後、奥様をママさんバレーの練習会場に送っていき、その足でゴールしたそうです。
 奇想天外、自由気儘、まさにシャルソンの醍醐味ともいえる行動を称賛され、参加者たちから大きな拍手喝さいを浴びた高山さん。その後、前橋〇〇部の要となる人物になるとは、このとき、誰も予想しませんでした。


前橋の様々な場所を走る、歩く




「前橋トレラン部」誕生!

 まえばしシャルソンというイベントを通じて、1つの部活が新たに生まれました。現在、前橋〇〇部で最大の部員数を誇る「前橋トレラン部」です。
 大会後の報告会で、参加者の一人、自衛官の栗原孝浩さんが「新しい部活をつくります! 前橋トレラン部です」と宣言したのです。「ボクらも参加します」、会社員の西尾健太郎さん、柳井克好さんも手をあげ、即座に部活成立となりました。
 栗原さんは10代から陸上競技を始め、大学時代は箱根駅伝を目指すほどのアスリート。社会人になってからは、登山道など不整地を走るトレイルランニング(略称トレラン)に取り組んでいました。
 「今まで自分が参加してきた大会は絶力疾走でタイムを競うものばかり。まえばしシャルソンのゆるさは新鮮だった。そしてものすごく楽しかった」、このイベントを通して、走ることのもう1つの意味を見つけた栗原さん。「前橋トレラン部は、人と人とがつながりながら、ゆるく楽しくトレランや陸上競技に親しんでもらうのが目的」と話します。
 現在は県内、近県のトレイルレースに参加したり、スタッフとして運営を手伝ったり…。栗原さんがレースディレクターを務める長野県の「野麦トレイル10マイルレース」では部員が一丸となって大会を盛り立てています。毎週木曜の夜には、ナイトランで練習を積んだり、子どもたちに走る楽しさを教える活動もしています。また、「いつもお世話になっている山をきれいにしよう」と、毎年5月にはゴミ拾いをしながら赤城山を歩く清掃活動も始めました。
 現在は幹部が10人、イベント参加者は毎回約30人。FBページのフォロワーは800人にも上ります。「初心者大歓迎! イベント後の飲み会だけの参加もOK!」、ゆるい体育会系の前橋トレラン部は常に新入部員大募集中です。


前橋市内のファミレスで行われた「前橋トレラン部」の幹部会

(文=阿部 奈穂子)

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