子どもの頃、みょうがを口にするたび
「裏庭の味がするからいやッ」
と思っていたものです。
というのも、小学生の頃に住んでいた家は庭が広くて、庭そのものが理科の授業。花を咲かすもの、実がなるもの、むしももにょもにょ元気に走りまわり、それはそれは子供の好奇心を満たすのにうってつけのハコだったのでした。
だけど、唯一嫌いだったのが裏庭。陽が当たらずに、じめっとしていて、どうも辛気臭い。子供心にも「なんかいやなかんじ」と避けていたものです。
その裏庭には、初夏になるとみょうががにょきにょき生えていたので、私の中では辛気臭い場所に生える、妙な存在だったので、どうにも食べる気になれなかったのです。
独特のほろ苦さも、子どもにはなかなか受け入れがたかったのかもしれません。
それがどうした、どうした。
大人になるっていうのは、成長することでもあるけれど、同時に、いろんなものを許容できるようになるということでもあるのでしょうか。
今となっては、みょうがのない日本の夏なんてあるものか、と思うほど。
そしてみょうがに限らず、独特の「苦み」がある食材が、大好きになるから不思議です。
さて、こうも蒸し暑い日が続くようでは、体もマイってしまいます。
こんな日はひんやりしたパスタをつるつるっといこうではないか。
と、みょうがとしそをトントン刻み、しらす、白ワインビネガー、オリーブオイル、塩、こしょうで作ったソースに、長めにゆでたカッぺリーニを和えて冷製のパスタにしてみました。
みょうがとしその香味がすがすがしくって、ビネガーの酸味もきりり。
これで冷えた白ワインでもあったら、いうことありません。
» Tags:みょうが,
Trackback(0) Comments(4) by 安島夏|2008-08-07 10:10
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)