雑誌やなんかが売れなくなって
今や新聞がウェブ上で読めるようになって
スマートフォンでもあれば、ほとんどの情報が片手の中にある。
でも、そんな時代にあっても、やっぱり紙が好きです。
アナログなんでしょうね、私が。
でも、紙は私にとって特別です。
物心がついたころから、本が、というか活字が大好きでした。字は本から学んだし、言葉遣いも本から教えてもらいました。小学生の頃は、読んでも読んでも満たされなくて、むさぼるように本を読んでいました。
多くの職業があることを知らなかったので、その頃の夢は作家。
へたくそなりに、物語なんぞ書いたりもしていました。
でも、中学から高校の途中まではほとんど本を読まず、読むときは夏休みの読書感想文のためにしょうがなく、といった状態。高校生から大学生の途中までは、活字とは無縁の職業に就きたいと思っていたのでした。
でも、いつしかやっぱり活字に関わる仕事がしたいと思うようになり、気づいたら活字に関わる仕事をするようになっていました。
ぐるり、と一周をして、あるべきところに自分が戻ってきたのだなと、妙に腑に落ちるのでした。
ウェブ上の書かれている、今まさに私が打っているこれも文字。
でも、やっぱり紙に印字されている文字は、私にとって特別です。
ウェブ上の文字は、間違いがあれば直すことができますが、紙の場合はそうはいきません。その分、責任も増すでしょう。でもその反面、自分のすぐ脇に寄り添ってくれもするのです。
あぁ、やっぱり紙はいいなぁ。
今回、紙のさらりとした表面をなでながら、しみじみと思いました。
「茨城のごちそう野菜」
ゆたりの兄弟サイト、「万農王国」から飛び出した一冊です。
書き手の私はクロコであって、主役は野菜であり、茨城です。
何が、というカッチョイイ思い出や理由があるわけではないのですが、ただ「おいしいから」という理由で野菜が猛烈に好きで、偶然にも多くの野菜が育つ茨城県に住んでいる。
なんと幸せなことなのでしょうか。
おいしいものを口にすると、その野菜のこと、育つ場所のことが知りたくなる。知りたがりの性格がやりたいことを、そのまま本にさせていただいたようです。その野菜のことを知ると、その後食べるときに、ちょっと楽しくなる。どうせ食べるなら、おいしい方がいいし、楽しいほうが断然いい。
少しでも、そんな人が増えてくれたらこれ以上嬉しいことはありません。
時代はちょこっとヒネクレていますが、おいしいものを、「おいしいね」と言いながら、ほほえみながら食べる。これが、今の私にとって一番の幸せなのです。
Trackback(0) Comments(10) by 安島夏|2012-04-13 21:09
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