一年中ほとんどのものが手に入る時代だけど
ほんの一瞬の間しか食せないものもある。
この時期、にょっきりとした生のたけのこが
店頭に並ぶと、心が落ち着かなくなります。
こと、たけのこに関してはいくつになったって保守的で
いわゆるたけのこ料理の定番というものが食べたくなります。
そして、食べたいからと、その本能むき出しのまま
買うことができないのです。
鮮度が命のたけのこ。
買ったらすぐにゆでて下ゆでをするのはご存知の
ところだと思いますが、私の場合、
この作業は、心と時間にゆとりがないと
おいそれと手を出しにくいのです。
ぬかと、赤唐辛子を入れたお湯で1時間ほどゆでて、
そのまま冷ましておくという
至極簡単な放置プレイであるのもかかわらず、です。
それほどまでに、生のたけのこを神聖化しているのかもしません。
やっとのことで、訪れたたけのこ日和。
ちょうど先週末に、高校時代の友達が我が家に
遊びに来てくれることになり、これ幸いと
たけのこごはんを仕込むことにしました。
たけのこは、近所のスーパーで求めたものですが、
売られているその中でも、先端が明るい茶色で
できるだけ日に当たっておらず、下部も黒ずんでいない
できるだけ鮮度がよさそうなものを手にし、
えびす顔で帰宅。
すぐさま下ゆでをし、
翌朝たけのこごはんの支度に取り掛かりました。
丁寧にとっただしと、少しの酒、みりん、藻塩。
たけのこ自体のうまみ頼り。
十分においしいものに変貌をとげてくれました。
おいしいもの(自己賛辞ですが)を
食べるときは、ついうっかり写真を撮り忘れてしまいます。
なので、残った上品すぎるほどの量の
最後の2、3口分。
去年実家から挿し木でもらってきた山椒の芽が
はじけんばかりに飛び出してきたので、
これまた春の味を盛り上げてくれたのでした。
もう1回は作りたい。
その前に、気持ちの余裕を持っておかねば。
Trackback(0) Comments(4) by 安島夏|2010-04-21 11:11
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