スフレを初めて食べたのは、
確か小学4年とか5年とかの頃だったと思う。
態度も、味覚もマセた子供だったんです。
私の食への興味は、今に始まったことではなく、子供の頃から。
とはいえ、中学~高校の頃は、お昼にコンビニのパンを食べたり、帰りにファーストフードに寄って喜んでいました。その頃は、おいしいと思って食べていたんだから、今となっては首をかしげます。当然、料理になんか興味はなく、食を大事にしようという気持ちは薄かったかもしれません。
だけど大学に入った頃から、またしばらくナリを潜めていた食への執着心がむくむくとわき、色んなものを食べ歩き、料理をするようになり、今に至るというわけです。
食いしん坊だった小学生時代を思い返すにつけ、思い浮かぶのは、スフレ。
今となっては自分でも不思議なんだけれど、あの頃は欲しいものも欲しいといえない、子供だったのです。そんな私が、珍しく自分で
「食べたい」
と言ったような気がします。
何でスフレの存在を知ったのかは忘れてしまったけれど、初めてスフレを目にした瞬間、口に入れた瞬間の感動は忘れたくても、脳が忘れさせてくれない。
メレンゲがたっぷり入っているので、ふわっふわ。焼き上がりが、最高潮の盛り上がりで、時間とともにしぼんでしまうので、アツアツが運ばれてきたら、すぐに食べるのが鉄則です。
スプーンを差し込んだ瞬間、
しゅわー
というひかえめな音を立てる。
バニラの香りがふぅわり漂う。
口に入れると、ふわふわしゅわーと消えてなくなる。
あーこんな幸せな食べものがあったのかー、と衝撃を受けたものでした。
その子供の時以来、久しく食べていなかったスフレ。先週、銀座で食べました。
上には、エメンタールっぽいチーズがかかっていて、甘さをひきしめてくれていい仕事をしてました。
あの頃のような衝撃はなかったものの、当時感じた衝撃を思い出して、また余韻に浸ったのでした。
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Trackback(0) Comments(5) by 安島夏|2009-03-19 23:11
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