あ、山菜のひとつコシアブラのためなら、という話です。
色気じゃなく、食気ってわけです。
胃が弱いこともあって、あまり揚げものは食べられません。
天ぷらやさんで、コースなんぞ食べようものなら、
最後は拷問です。
それはそれは、おいしい数々であろうメニューが、
私の中では徐々に試練へと変わります。
揚げもの、おいしいのに。
残念な我が胃。
と、胃をうらめしく思うしかありません。
もちろん、コロッケを筆頭に(コロッケというあたりがオコサマ)
揚げた食べものは好きですし、
料理に使うので色んな種類の油は家に常備。
とはいえ、家で揚げものをするのは年に1度。
過去3年を思い返しても、律儀なほどに年に1度。
しかも、どれもこのコシアブラという山菜のためなのです。
もちろんコシアブラだけではないのですが、
毎年父が山菜を採ってくるのが恒例行事で、
子供の頃から山菜のなかでも、とりわけコシアブラびいきだったのです。
ほんのりとした苦みが、油と合わさるとコクに変わり、
思わず
「うまい」
と言ってしまいたくなるほど。
やっとのことで、先週末我が家に届いたので
嬉々として揚げものにいそしんだというわけです。
写真にはありませんが、
最初は普通の天ぷらにして、塩で、天つゆで。
続いては、かき揚げに。
この日は、たまねぎ、しめじと一緒に揚げました。
この日は、遅い時間だったせいか、
かき揚げまでたどりつけなかったので、
翌朝かき揚げ丼にしてがつんといただきました。
しなしなっとした感じも、また嫌いではありません。
来年もよろしく頼む、
と心の中で父に言いながら
コシアブラを心行くまで堪能したというわけなのでした。
Trackback(0) Comments(3) by 安島夏|2010-05-14 16:04
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