定期的に、悩んで頭をかかえます
野菜の旬って何ぞや?
ということに対してです。
とある辞書によると
旬:魚介類・野菜などの、味のよい食べ頃の時期。出盛りの時期。
とあります。元々野菜は今のようなハウス栽培などは行われず、露地栽培。江戸時代など、過去をさかのぼった頃から、自然の摂理の中ですくすく育ち、収穫の時期を迎える頃を旬と呼んでいたというのは、周知の事実です。
とはいえ、時代の流れの中で、私たちの“食べたい”や“欲しい”欲求にこたえて、いわゆる元々の旬の概念だけでは、どうにもくくることができなくなってきました。
たとえば、トマト。
夏野菜を代表するひとつとして有名ですが、この極寒の時期でもトマトは手に入ります。むしろ手に入らない時期はないかもしれません。
そして、いちご。露地栽培では、春先に実をつけるのですが、クリスマスケーキにはいちごが必須、そして栽培技術の向上もあって、秋の終わり頃から口にすることができるのです。
こんな状況の今、旬を一言で説明するのは難しいのです。
収穫量が落ちる時期に出荷すれば、高い値で売ることができるわけですがから、その時期に合わせて栽培する場合もあります。
食味の旬。
いわゆる露地栽培でたくさん収穫できる旬。
そして、現代の旬。
同じ品目ひとつをとっても、その時期ごとに味わいが異なるので、何をもってして旬と説明するのか悩むのです。
職業柄か、よく野菜の旬について問われます。先日も、とある本の監修を頼まれ、野菜30品目の旬を“○月”と表記してほしいと言われました。
口頭で話すとなれば、補足はいくらでもできます。
でも、本となれば、スペースもレイアウトも決まっています。あぁあ、と頭をかかえました。まぁ、その都度、旬の定義をきちんと補足するように心がけているのですが。
たとえば、関東周辺での収穫量を元に出す、とは全国の主生産地の生産量を元に、といった風に。
とはいえ、いろいろな旬があることを知ってほしいという気持ちで、毎度仕事に臨むことだけは忘れないでいようと思っています。
どの旬も、現代の旬。
どれひとつだって、間違っていないと思います。
どんな時期も、手にすることができることのありがたさも忘れずにいたいものです。
Trackback(0) Comments(8) by 安島夏|2009-01-20 13:01
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