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[まいにちが、記念日] 記事数:575

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お手紙

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心が空洞になってしまった時。
心が寂しくなってしまった時。
生きていくのが虚しく感じた時。
支えになる本があるととても心強いです。

下の娘は小学二年生。
『ふたりはともだち』という短編集の中の『お手紙』を勉強中。
毎日夢中で音読しています。

今日の夜のことです。
3人でベットに川の字になって眠るまでおしゃべりしていました。
その中で、
「本当の友達って、どんな人?」という話になりました。

『お手紙』を読んで、思い出したことがあります。
今まで深い海の底に沈んでいたような潜水艦が急浮上したような勢いで、
リアルに蘇ってきたエピソードです。

 
・・・・・・・・・・
私が小学二年生の時のこと。
体育の授業の前に急にトイレに行きたくなり、紅白帽を手に持ってトイレに駆け込みました。
トイレというより「便所」という呼び方がふさわしいかもしれません。
「ぽっとん便所」の寒々しい和式トイレは、下を見るととても怖いものでした。

そこに、ですよ。
こともあろうに紅白帽を落としてしまったのです。
ショックで思わず泣き出してしまった私。
いなくなった私の様子を見に来てくれた、友達のまきちゃん。

泣いている私を見て、何を思ったのか棒を見つけてきて、ぽっとん便所の穴を覗き込みながら必死に紅白帽を取ろうとしてくれました。

なかなか来ない私たちを心配して、先生も来ました。
泣いている私の代わりに、まきちゃんは先生に説明してくれました。

・・・・・・・・・・・

あの時。
ちゃんとまきちゃんに「ありがとう」って言えてたのかな・・・。

肝心な部分はどうしても思い出せないのです。
最後の記憶は、3年生の春休みにまきちゃんが引っ越して行ったことだけ。

娘にその話をしていたら、涙が出てきて。
横を見ると、娘も一緒に泣いていました。

二年生の私とまきちゃんが、がまくんとかえるくんに重なりました。

大人になると、「親友」って心から呼べる人があまりいなくなってしまいます。
でも、きっとみんなゼロではないと思うのです。
大切な人をいつまでも大切に思いたい。

共に生きる、ってそういうシンプルなことなのだと思います。

「ふたりはともだち」
アーノルド・ローベル作 三木卓訳   文化出版局

Trackback(0) Comments(4) by つき|2008-10-22 21:09

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