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[まいにちが、記念日] 記事数:575

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整理収納アドバイザーが読む、「1Q84」。

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「ケチ!」と思われることを覚悟で書きます。

 
「あー、2冊3600円(税別)もしたのに、読み終わっちゃったよ~」
 
 
先日買った、村上春樹の「1Q84」のことです。

読んだ私から一言。

 
白黒はっきりさせたがり屋さんは、後に出るであろう、続編が出揃ってから読み始めることをオススメします。

 
結論が出るような出ないような終わり方。
手を伸ばせば3冊目が読めちゃいそうな終わり方。
これも新潮社の作戦のうちなのか。
 
 
内容については、後日「としょ・にっき」に書くかも知れません。
ここでは一応、「整理収納アドバイザー(のはしくれ)」が読んで、とても興味深かった点をお話します。

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新興宗教を崇拝している両親のもとで育った、青豆。
彼女は10歳の時に、同級生だった天吾と、短いけれど、とても印象深い一瞬(手を握った)を過ごし、そのまま離れ離れになる。

やがて大人になり。
人との人間的な関わりを極度に排除した人生を送る。
彼女はスポーツインストラクターであり、敏腕殺し屋となった。
ある日、彼女は最後で最大の仕事、最高残悪な人間の殺人を依頼される。
 
 
彼女は、その「仕事」を終えたのちは、名前も顔も変え、別の人生を歩むことになっていた。
彼女が使っていた、部屋はもともと無機質であったが、この世から姿を消すために、ほとんどのものを処分し、残されたのは、貧相なゴムの木が一本。
人との関わりを避けていた彼女が、この部屋で最初で最後に慈しんだ「いきもの」であった。 

 
 
「こんなところで自分が何年も、とくに不満や疑問を感じることもなく日々を送っていたなんて、うまく信じられなかった」 
                (村上春樹 著「1Q84 BOOK 2」 P.115より、引用)

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ものの持ち方と、人の心のありようは密につながっているなと思いました。
たくさんものを持ちすぎているひとは「よくばりな人」なのかも知れません。
 
あ、もちろん、「よくばり」は悪い意味だけではありません。
いい意味では好奇心旺盛ということなのです。

青豆は、この世の素晴しさにも愉しさにも無感動でした。
ただ、天吾との再会を待つ自分だけが、生身の自分であり、存在するもののほとんどに関心がなかったのだと思います。

冷たくて、するどくて。
まるで拳銃のような女性なのですが、一方では服のシワが許せないという側面も持っている、とても不思議な人です。
 
なんだかまとまらなくなってしまいましたが・・・。
村上作品は、部屋の描写や、持ち物の説明がとても細かいところがポイントです。
その主人公に焦点をあてなくとも、輪郭が浮かび上がる。
持ち物や暮らし方というのは人間にとって陰のような、あるいは映し絵のような存在であるとも言えるでしょう。

Trackback(0) Comments(0) by つき|2009-07-04 10:10

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