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[雨は遠いそらの上] 記事数:109

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黒磯バッケに挑む

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常陸太田に黒磯バッケという山腹の断崖があるのだが、その麓に「町屋の滝」がある。折りしもこの日は雨、以前見に行ったときには完全に涸れていたけど、今日なら滝が見られるに違いない。雨も途中で降り止むか小雨のままだろう。

 
 
まずは変電所跡をめざす。ここは冬場にライトアップすることで有名だ。この日は地元の方が集まって変電所内の片付けやまわりの草刈りなどを行っていた。雨はもう殆ど上がっている。
車を停めさせてもらい、長靴を穿く。「写真かい?」と声をかけられる。「滑りやすいから、気をつけなよ」「今日は雨降ったから、見られるんじゃないかな」さすが地元の方たちらしく、すぐに滝と察しがつくらしい。変電所わきの道からすぐ目の前に、黒磯バッケへの小道が山へと続いている。ここを辿っていく。
 

←↑黒磯バッケまでの途中の小道には、いい感じの廃屋がある。邪気は感じなかったので、写真を撮らせてもらった。
←帰りに撮った写真だけど、湿気と汗と投げやりな熱気でレンズがソフトフォーカスめに曇って、お気に入りの一枚を吐き出してくれた。やっぱり、多少投げやりなくらいが良い写真が撮れるものだ?


 
山の中を少し歩くと視界がひらけ、東側に町屋集落、そして西側に霧に包まれた黒磯バッケが姿をあらわす。国道からも見えるこの断崖絶壁、近くで見るとその唐突な異様に遠近感がくずれそうだ。すぐ近くに静かな集落が広がっていることも、その異様さを引き立てている。
手作りの小さな看板をたよりに山の中に進入する。倒木が横たわり繁茂しはじめた草に足とられクモの巣にからまれ、2、3分ほど悪路を登ると滝音がする。よし、今日は流れていそうだぞ。
果たして町屋の滝は断崖を流れ落ちていた。それでも水量はちょっと少なめ。早くもブヨが大量発生しているようで、非常に鬱陶しい。
↑→艶緑の中を流れ落ちる町屋の滝。崖は5メートルくらいの高さで、足を滑らすと危険。もし落ちたら、沢を辿って下りてくれば小道に合流しますのでその点は安心。

  
道はさらに山の中へと続き、黒磯バッケに通じている。変電所で、おじさんから「黒磯バッケまで1時間かからないだろう」という話をきいていて、よし行ってみようということになった。生い茂る草で長靴を穿いていてもびしょびしょになってしまったけれど、道は案外しっかりしている。結構登る人が多いのだろうか。
しかし道中クモの巣に引っかかりまくって、とても不快な思いをした。もうそんな季節かー、低山に入るには嫌な季節になったなあ…なんでおれ長靴で登ってるの?と思いつつ、重い足を進める。汗ぐっちょりクモの巣びっちりである。
 
黒磯バッケの深い森。→

  
やがて尾根の分岐に出る。左へ行くと尾根を下っていく。右へ行くとさらに登っていくようだ。とりあえず上へ行ってみようと右に進路をとる。するとあれれ、車が走ってきた跡のある道へ出てしまった。
この時点で気づけば良かったのだが、黒磯バッケへは分岐を左に行くのが正解だった。(看板の設置が望ましい…)
ときおりひらけた木々の間から霧の立ちこめる山の斜面や常陸太田市内の姿を見ながらしばらく歩くと、林道に合流してしまった。ありゃあ…と思いながらも林道をしばらく上る。

途中、遠くまで見渡せる良いスポットを発見したが、

収穫はこんなもの。
 
さらに山の中に入る道を見つけて入ってはみたものの、どんどん山の中に入っていくだけでいっこうにバッケに出る予感は無い。結果からすればただの山道に入っちゃっただけで、延々と杉林の中を歩いていたことになる。ここまでで1時間はとうに過ぎている。
→「井戸澤国有林」という標識。特に何でもないが、興味をそそる。というか、これくらいしかモノが無い。

急いで尾根の分岐まで戻って、尾根を下っていくと最後に急登が待ち受け、それを不便なる長靴で登りて黒磯バッケ到着。下に黒磯集落が見え、その奥に日立連峰を望む。山頂のようにひらけてはいないがいい眺めだ。
 
  
身体中、汗と土と泥と雨とクモの巣と部屋とYシャツと私と酒と涙と男と女でデロデロ、帰りはどこかの温泉でゆったり汗を流そか…と思っていたがそれすらも嫌で真っ直ぐ帰ってきてしまったけれど、やはり山登りは気持ちが良い!(黒磯バッケは山登りというより山歩きだけど)
今年はぜひ夏山に挑戦してみたいなあと思うのだけど、とりあえず実力試し(そんなもん皆無に等しいが)をかねて近場の奥久慈男体山に登ってみたいと思っている。
  
  
*黒磯バッケ…「バッケ」が「抜景」と書かれている場合が見られるがこれは当て字で、「黒磯バッケ」が正式な名称だそうだ。「バッケ」とは茨城や千葉の一部で使われる方言で、「崖」の意味(黒磯バッケの看板より)。
穏やかな山並みの中唐突に出現し、土地の歴史と秘密をひっそりと今に伝えている。急峻な断崖は森に囲まれ、外部からの進入を一切拒んでいる。  
  
  
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↑男体山、登ってきました!しかしやはりおっちょこちょいのぼくには無事に登山を終れるはずも無く…充実と失意の男体山編、乞うご期待!?
  

» Tags:, , 茨城,

Trackback(0) Comments(3) by 雨|2008-06-14 14:02

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