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[雨は遠いそらの上] 記事数:109

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飽くまで桜、飽きるまで桜

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空気公団「約束しよう」のジャケット写真のような桜を撮りたいと思っているのだ(いま確認したら、散った花びらの写真だけで桜の写真は無かった。でもその質感はまさに桜なのである。そういうことなのである)。でもぼくには才能と感性にプラスして、足りないものがある。その埋められない不足を抱えながらぼくは桜を撮る。さてぼくには何が足りないのか?

 
春はぼくにとって焦燥の季節であったが、今年はいくぶんかその趣が違う。ぼくはカメラを手に入れた。今までとは少し視点が違う。ズイコーデジタル14-54mmという「新しい眼」をぼくは手に入れたのだ。このことにさして意味は無いが、ぼくの中で世界がシフトしはじめていることの表徴のひとつだ。あるいはPerfume的に言うならば、「引き返せないほどの距離」があの頃の春とぼくとを(既に)隔てているのだろう。デジタル一眼レフという時代の寵児を携えるだに、歳を重ねるというのも悪くない。だがぼくは怖いのである。



 
そう、目の前の桜はリアルに、不足なまでに余剰に桜なのである。焦燥が、その茫洋とした姿を鮮明にあらわしたのだ。
  



 

  
ぼくは失った春を、取り戻すためだか僅かな残滓にすがるだか、とにかくそうして、焦るように写真を撮りためている。次回からしばらく、桜の写真をお届けしたいと思う。飽きるまで、飽きてもなお、桜である。まあ詭弁を垂流すものだ。何にせよ吟味が足りないのである。
  
  
   
  
  
  
  
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Trackback(0) Comments(6) by 雨|2008-04-14 01:01

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