芝居を観おわって、改めてタイトルを思い返したときに
ジーンとくる・・・・
そういう芝居が好きです。
いま、音声ガイドでかかわっている舞台
劇団銅鑼の「彼の町」は、チェーホフの短編小説が
いくつも出てきます。
戯曲ではなく、小説です。
かれの小説の世界が、舞台の上に現れるだけで
ワクワクしてしまうのですが
中でも「せつない」は、鈴木瑞穂さまの、分厚く、豊かな声が
観ているものをグイグイ引き寄せる、まさに圧巻です。
もう、せつない、せつない、やりきれません。
それがふしぎなことに
ただ「せつない」だけじゃない。
「こういう人、いてくれてよかった・・・」
なんでしょうね、
存在に勇気をもらうというか
どこか、自分とかぶる、小さな小さな一人の存在が
大きく心に残って
「私も日々、せつないことに見舞われても
死ぬまで生きよう」
みたいな勇気をもらえる・・・・、
いや、これからご覧になる方もいるでしょうから
喋りすぎてはいけませんね。
とにかく、みてください。
もうすぐ90歳だとおっしゃるじゃありませんか。
それだけで勇気100倍ですよ。
その瑞穂さんが、稽古場では若手と同じ土俵で
対等にお話ししている・・・・というのが、
またかっこいいのです。
ここ数日、東京新聞や赤旗日曜版で
写真付きで大きく取り上げられています。
彼のような人生の先輩、演劇人の先輩を目の前にすると
ワタクシのような端くれでも
「ああ、いい仕事を選んだな、もっとがんばらにゃあ。」
と、思ってしまったりする・・・・
すごい方なんですね。
あ、若手の皆さんも面白いですよ。
特にチー坊役の斎藤千裕さんなんて、
すでに誰もが忘れてしまった「初々しい」という言葉がぴったりの
素敵な役者さんです。
まっすぐ、です。
まあでもとにかく
「せつない」を観てください。
わたしなんて、どうしても夫にも見せたくて
せっかく子守を頼めたというのに
返上して、私がロビーで子守して、観てもらうんですから。
それくらい、しびれます。
・・・・って、こんなに予告しちゃだめですよね。
15日から俳優座劇場です。
心まっさらにして、観てください。(しつこい!)
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2017-03-11 23:11
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