「観たら、感想聞かせてね」と何人かの方から言われていたので
書きます。
が・・・・・・
いやぁ、書きにくいですねえ、
わたし、本当にダメでした。
あれだけ、みなさんが絶賛し、
「2回見た」とか、「もう一度見たい」とかいう声を聞いて
期待が大きすぎたのか・・・?
いや、そういう理由ではないですね。
ですから、絶賛する方々を非難する気持ちはまったくなく、
これはジャンルとして好きか嫌いかということもあるわけですから
いいんです、絶賛なさっても!
私が完全に受け付けなかったのも
そういうどうしようもない「好み」「肌合い」みたいなものが大きいと思いますが、
それに加えて、「9.11」「3.11」以降、
本当に、ものの見方が変わってしまった・・・というのがあると思います。
(ここからさき、ネタバレ話題になりますので、これからご覧になる方は
どうぞ、ご了承ください。というか、読まないでください)
まず、全体が「放射能vs政府」というように感じました。
逃げ惑う市民はでてきますが、その生活はほとんどない映画です。
少しだけ、避難所で食事を配られている様子と
ラスト近くで避難所生活から解放される人々が映ります。
が、ここでどうしても、フクシマを考えてしまいます。
簡単に収束したとか、コントロールされているとか
政府は言いますが、すでに5年以上
故郷に帰れない人がたくさんいるという現実があります。
この映画、福島の人がみたら、どう思うんだろう・・・・
何も知らない東京人の、のんきな娯楽映画、
としか映らないのではないかと、切ない気持ちがしました。
そして、ばったばったと高層ビルがなぎ倒されていく映像。
私は9.11以降、たとえフィクションであっても
あのような映像を観ると、どうしてもそこにいる人々を想像してしまいます。
あんなのCGだと、軽く考えることができなくなっているんです。
9.11のあとで、映画「宇宙戦争」を観たときの
あの空虚な気持ち・・・・つまりもう、現実の恐ろしさが勝ってしまって
架空の物語として楽しめる心境ではなくなってしまったんですね。
しかし、今回、そういう人々はまったくクローズアップされない・・・・
そうなると主人公の「国民を守る」というセリフも、
白々しいものに感じられてしまいました。
それから役者の衣装やメイクですが
不眠不休で国民のために働くみなさんが、
常に真っ白なワイシャツに、ひげなど全く伸びていないきれいな顔で登場するのは
非常に違和感があります。
台詞では「においます」といっているのに、キレイ。
以前、「ほたるの墓」実写版で、某有名女優さんが
真っ白な割烹着にばっちりメイクで登場しましたが
こういうところが、日本の映画、ドラマのぬるい、あまい、ださい、ところだと思います。
それから、もうこれを言っちゃおしまいだ、とお叱りを受けそうですが
私は、ああやって、生物や自然界のものが、人間の生活を脅かすというのは
確実に理由があると思っています。
それは人間への恨みです。
だから、今回のようにあっというまに「駆除」という選択がとられることに
怒りを感じるのです・・・・・
最近でいえば「クマ」が民家にやってきて食い荒らしているニュース。
ぎゃあぎゃあ騒ぐ人々をみると、
「いや、迷惑しているのはクマのほうだよ」といいたくなる・・・・そんな感じです。
あ、ゴジラの動きを演じているのは野村萬斎さんだそうです。
そこが、この映画のひとつのこだわりだと思いますが
知りたくなかったです。
ゴジラの切ないイメージが、萬斎さんの知名度で薄れてしまいました・・・・・
そうそう、もうひとつ、違和感を感じたのは
「ゴジラ」はあれだけシリーズとして話題になったのに
映画の中では、みんな、その存在を知らないことが前提になっている、というのも
不思議な気がしました。
もう、突っ込みどころ、満載。
最終テロップを観て、これだけの人が関わっている映画なのだとわかり、
あらためて、この映画って、何だったのかと
自分に問うてみましたよ。
自衛隊賛美・・・?
「ここがよかった!」という感想をいいたくて、
いろいろ考えましたが、だめそうです。
でも、他の人の意見もきいてみたい!
そう、よかったところと言えば、こうして観終わったあとに、
喋りたくなるというのは
映画の効果として成功だったのかもしれません。
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2016-08-29 23:11
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