映画「野火」を観に行きました。
いままで数々の戦争映画を見ましたが
観るたびに戦争体験者への後ろめたさを感じることが多かったです。
戦争体験者に感想を聞くと必ず「戦争はこんなもんじゃない」と
言い捨てられて終わる・・・・それが、過去ほとんどの戦争映画ではなかったでしょうか。
この「野火」では、塚本晋也監督が
ひたすら、自分の体験していない戦争を
「再現」することにこだわったのだと思います。
どう思ってほしいとか、戦争反対とか、
そういうことではなくて。
ジャングルを彷徨う兵士たちが
いったい、どの役者なのかわからなくなるほど
汚されています。
乱れない髪の毛で女子高生が逃げ惑う「白百合隊」でもなく
真っ白い割烹着にメイクばっちりの女優が出てくる「火垂るの墓」(実写版)でもなく
眉毛が切りそろえられた主人公の出てくる「私は貝になりたい」でもなく
もう、だれがだれかもわからないほど、汚れているのです。
思い出したくない、語りたくない、こだわっていたら前にすすめないような過去があること、
その感覚は、体験していないものにはわかるものではありませんが
塚本監督は、自分も体験していないその時間に
まさに、切り込むように挑んでいったのだと思いました。
ユーロスペースです。
観に行ってください。
ジャングルで無残な死に方をした何万という兵士の話は
決して、あの頃だけの話ではなく
いま、この時にも、同じようなことが
世界のどこかで起きています。
人間は、いつまで、どこまで、戦争を続ける気なのか
そんなことを憂うのなら、なぜ早くとめられないのか、
そもそも、
私たちは何のために生まれてきたのか・・・・
観終わって数時間たち
そんなことを考えてました。
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2015-09-06 00:12
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