井上ひさしさんの「ふかいことをおもしろく」を読みました。
字が大きくて読みやすい。
私のように、難しい文章を読むのが困難な人間にとって、
井上ひさしさんの文章は、まさにこのタイトルの通り。
彼が、農業にこだわり、日本のコメ作についての本をいくつも出しているのは
有名なことですが、
ちょっと農業のことで調べたいことがあって
図書館やらアマゾンやらで検索していたところ
井上さんの著書を発見しました、どれも非常に読みやすい本です。
それらを買うときに、この「ふかいこと・・・」というタイトルが気になって
一緒に購入しました。
彼の子供時代から、どういう経緯で劇作家になったかということ
そして、彼の創作活動の中に脈々と流れる戦争への思い、
そして憲法9条への思いが書かれています。
前半では、井上さんが浅草フランス座で
コントの台本を書いていた時代のことも書かれています。
そして、そこで、病気から復活した渥美清さんの復帰第一作を書いたことも。
その章を読んで、私は急に(約)20年前を思い出しました。
それは、「渥美清、ああ、青春日記」というドラマに出演したときのことです。
もちろん、渥美さんの追悼ドラマで
私は、フランス座の楽屋にいるストリッパーの役。
(もちろん、脱いでいません。というか、脱がせてもらえないほど貧乳。)
そういえば、あのとき、舞台袖で井上ひさしさんの役を演じていたのは、
まぎれもなくご本人でした!
まだ、(約)22だった私は、そんな現場のありがたみもわかっておらず、
劇団の先輩と後輩に挟まれて、くだらないおしゃべりをしながら
長い長い待ち時間をやり過ごしていました。
当時の私は、まだ、戦争のことなど、全く考えていなかったとおもいます。
いまが、戦前か、戦後か、などということは全く気にしていなかった。
作品に政治色を入れることに懸念さえ持っていました。
しかも、何の理由もなく。
もちろん、今は違います。
明日は8月30日です。
戦争法案に反対する国会前抗議行動の日です。
あらゆる反対組織が、この日に焦点を当てて訴えます。
国会前で10万人、全国で100万人規模の抗議行動を目指しています。
私の予想では、それをはるかに超えると思います。
(それだって、海外のデモに比べればかなり小規模ですが)
戦争を止められるのは、そのむごさ、悲惨さを知っているものですが
明日、抗議行動に集まる若者たちは、
体験こそしていませんが、自らそれを学び、考えた人たちです。
井上ひさしさんが、あとがきに
「100年後の皆さんへ」というメッセージを書いています。
「100年後の皆さん、お元気ですか?
この100年の間に、戦争はあったでしょうか?」
井上さんよりも未来を生きることになった私は、
この問いかけに自信をもって
「戦争?んなもん、ないです。気配さえないです。」と答えたいのです。
2015年8月30日
歴史が黒く塗り替えられようとする瞬間に
しっかりと歯止めをかけるときです。
みなさん!
もしも、戦争はいけないんだと思っていたら
思っているだけではなく
明日はぜひ、行動しましょう。
・・・・などと言っている私が
明日は舞台本番でどうにもこうにも現場を抜けられません。
夜中に、駆けつけたら、まだ若者たちは頑張っているかな。
高齢者に教えてもらい、若者に勇気をもらって
中年の私も、叫びたい。
100年後も、戦争なくて、あたりまえ。
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2015-08-29 22:10
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